なんでもないこと、みーっけた

飽きずに綴っていけたらいいな

ミュージカル『ブラックスーツ』あらすじ

少しでもブラックスーツ観てくれる人増えたらいいなってことで、自分なりにあらすじをまとめてみました。結末まで書いてるので、完全ネタバレ有りです!ただ間違ってるところや勘違いもあると思いますので、大目に見て頂けたら幸いです。




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【あらすじ】

幼馴染のハンスとミニョク。勉強は苦手だが活発で明るく、漫画の中のヒーローのように正義の使者になりたかったハンス。真面目だが正義に対して熱い想いを抱えていて、正義の女神ディケのように法の守護者になりたかったミニョク。子どもの頃から一緒に育んできた夢を叶え、ハンスは弁護士に、ミニョクは検事になる。それぞれの道を進み始めたふたり。ハンスは、ある弁護士事務所にスカウトされる。そこはハンスが学生の頃から大ファンだったチェ・クァンヨル弁護士が代表である事務所だった。ロースクールの模擬裁判コンテストで情熱的な弁護をするハンスを見て、心を動かされたというのだ。実際、そのクァンヨル弁護士も良心に従った熱い弁護をする人物だった。私達はよく似ている、と言われ、喜ぶハンス。代表に助けられながら、初めての裁判に挑むことになる。初仕事は飲酒運転事故の弁護だったが、ハンスは見事に熱い弁護を繰り広げ、無罪を勝ち取る。その後も次々に無罪や、減刑を勝ち取り、弁護士としての階段を駆け上がっていく。一方ミニョクは検事としてハンスと対峙することになるが、罪のない人間を殺した殺人犯や悪質な事故の犯人など明らかに有罪である人間達を弁護し、無罪にしていくハンスに、検事としても、親友としても疑問を抱く。何でこんな弁護をするんだと迫るミニョクだが、感情的に動いてるわけじゃない、証拠を元にやってるんだ。と一蹴されてしまう。すれ違っていくふたり。

順調に弁護士街道を歩いて行くハンスだが、ある日、飲酒運転事故で弁護をしている被疑者がハンスに会いに来る。見事な弁護を褒める被疑者に愛想笑いを返すハンスであったが、俺は酒を飲んでも上手く運転できるんだ、と飲酒運転を認める発言をする被疑者。あの時は仕方なかっただろう、と笑い、最後まで上手く弁護してくれよ、と去っていく。悪態をつくハンスのもとに、現れるミニョク。裁判を諦めろ。そう言うミニョクに、ハンスは言い返す。正義に対して同じ想いを抱えていたはずのふたりだが、真っ向からぶつかることになる。正義の弁護士。正義の検事。何が違う?と問うハンスに、何が違うって?自分の良心に聞け。と言い返すミニョク。お前が最近担当している事件達、本当の弱者が誰なのかくらいお前はわかっていると、俺は思っていたのに。そのミニョクの言葉を最後に、結局分かり合えないまま別れるふたり。

気持ちが晴れないまま、弁護をした犯罪者に会いに刑務所に行くハンス。静かに言い争うハンスと犯罪者。もし俺が被害者の家族だったら、お前が早く刑務所から出てくることを祈るよ。何故って?この手で殺すためだ。そう言い残し犯罪者と別れたハンスだったが、その直後、自分が担当した事件の被害者すべてが17歳か6歳であることに気づく。

チェ・クァンヨル事務所を訪ねてくるミニョク。ハンスが担当した事件のおかしな共通点に気づき、調べにきた様子。友好的な態度の代表に反して、取りつく島のないミニョク。ハンスと友人関係と聞きました、今度3人でサウナでも、とミニョクの手をとった瞬間、顔色が変わる代表。ハンスが担当した事件の被疑者達が失踪している。と、詰め寄るミニョク。ハンスが関係しているわけがないと信じ、真実を暴きにきた様子。しかし代表は、ひとつの家族の話を始める。両親を殺され、家を燃やされ、離れ離れになった兄弟の話を。弟よ、と呼ばれ動揺するミニョクは、兄さんは死んだんだ、と顔面蒼白で去っていく。クァンヨルの首にある火傷と、腕に残るミニョクの火傷の跡は、ふたりが兄弟という事実を決定づけるものだった。

一方、友人である記者ギテクに呼び出されるハンス。自分が担当した事件の被疑者達が失踪しているという事実を伝えられる。そして28年前のある家族に起きた事件を。そしてその被害者の年齢が17歳の兄と6歳の弟であることを。信頼していた代表が事件に関わっており、そしてその生き別れた弟がミニョクであるという事実を知り衝撃を受けるが、そのまま代表に会いに行くハンス。事務所の入り口で悲壮な顔をしたミニョクとすれ違い、チャ検事と知り合いなんですか?と代表に聞くが、検事と弁護士が知っている関係で何かおかしいか?とはぐらかされる。気になってることがある、と切り出すハンスに、失踪した人間なんて関わらない方がいいと諭す代表。君が心配なんだ、と。いえ、最後まで追及します、と引かないハンス。失踪なんて僕は一言も言ってないですけどね。とも続け、引く気は全くないところを見せる。ところで代表、もしかして弟がいますか?と言い残して去るハンス。

何かがあると確信し、今まで担当した事件達の被疑者の家族や友人の家を訪ねて回るハンス。そこで、自分が利用されていたことを知る。記者ギテクに教えてもらった情報を元に、以前自分と同じようにクァンヨル事務所で働いていた先輩のもとを訪ねるが、車椅子に帽子で顔を隠したその人は何も語ろうとしない。クァンヨルのことをよく知っている唯一の人物なんです、助けてください。そう懇願するハンスに、その元弁護士は語り始める。そしてクァンヨルのせいでこんな目に合ったのだと、焼けただれた顔を見せる元弁護士。クァンヨルは17歳と6歳の被害者達に、事件に遭った当時その年齢であった自分と弟を重ね、復讐を続けてきたのだった。他の弁護士を使い、無実の子ども達を殺した被疑者を無罪にし、自らの手で殺してきたチェ・クァンヨル。しかしその弁護士が疑問を抱き始めたため不要になり、消そうとしたのだった。クァンヨルは死んだと思っているが、何とか生き延びた弁護士。全く同じ境遇にいることを知るハンス。信じられない、とその場を走り去る。

目の前の事実を受け入れられず、誰のための、何のための正義なのだと思い悩むハンス。どうすべきなのか。どうしたらいいのか。ここはどこなのか。一方ミニョクも目の前の事実に思い悩む。そんな中、ハンスはクァンヨルの手によって暴行を受けるが、なんとか助かり、友人ギテク、ドンジュンによって安全な場所に連れて来られる。そこへミニョクが現れ、大丈夫か!?と駆け寄るが、不信感に満ちているハンスの表情は険しい。チャ・ミニョク、いやチェ・ジェヨル。とミニョクの腕を捲り火傷のあとを露わにしたハンスに、やめろ!と叫ぶミニョク。本当に知らなかったんだろうよ、お前は何も。そう皮肉げに続けるハンスにミニョクは何も言えず、顔を覆う。しっかりしろチャ・ミニョク!お前の兄貴はお前の手で直接捕まえろ。そう言い残して去るハンス。残されたギテクは、ミニョクが子どもの頃に大事にしていたドナテロ(ミュータントタートルズのキャラクター)のフィギュアを握らせて、俺はお前を信じるよ。と続ける。もし知ってたなら俺にチェ・クァンヨル事務所に行ってみてくれなんて頼むか?と。ハンスが担当していた事件に疑惑を抱いていたときに、記者であるギテクにクァンヨルのことを探ってほしいと頼んでいたのだった。警察である友人ドンジュンも、俺達はお前を信じるよ、と。残されたミニョクはドナテロを見つめながら、ひとり葛藤する。避けたかった、消したかった子どもの頃の記憶。忘れていた兄が、今は目の前に殺人者として存在している。法は平等であるべきだと思っていたのに、兄を目の前にして揺れていることに対して、腹立たしく醜悪な僕の正義と嘆くミニョク。

場面は代わり、捕らえられたハンス。代表の事務所に連れて来られ、すべてを忘れるか、ここで死ぬか選択を迫られる。この世界の正義は結局これだったというのか?こんなことはもうやめろと訴えるハンスだが、世界が変わることはない。審判者が必要なのだ。とクァンヨルが止まることはない。間一髪のところで、ハンスを助けに来るミニョク。そして検事として、クァンヨルに対し、緊急逮捕を宣言する。どうせ私の人生は、両親とお前を失った時に消えてしまったんだ、と寂しげに告げるクァンヨル。しかしお前を見つけたから、もう全て終わらせようと思っていたのに。お前が、私が生きる唯一の理由だったから、ジェヨル。とミニョクの本当の名前を呼ぶクァンヨル。そんな兄に、俺があなたにとって生きていく理由だったなら、あなたが殺した人達もまた誰かにとっての理由だったはずだ。生きていくための。と、苦しげに伝えるミニョク。もう終わりだと、炎の中に突っ込んでいくクァンヨル。

場面は裁判所。検事として兄を起訴するミニョク。目に涙を浮かべながらも淡々と兄の罪を挙げていき、死刑を求刑。そして弁護はハンス。28年前の事件での被害者であること。心身薄弱という理由で犯人に重い刑が課せられなかったこと。この国の法律がチェ・クァンヨルという怪物を作ったのではないのか、そう陪審員に投げかけるハンス。考える時間を与えます、という裁判長の言葉を最後に、休廷。