なんでもないこと、みーっけた

飽きずに綴っていけたらいいな

チケット予約を忘れて危うく推しを観れずに帰るところだった話

 こんにちは、みけです。オンニ達からは<日本に出稼ぎに行っているミュオタ>として日本に帰る度に「気をつけて行ってきてね~!」と見送ってもらうくらいには渡韓が日常化してしまっている私ですが(帰国だよ!)、今回は今まで経験のないミスをしでかしてしまったので、備忘録と反省と周りへの感謝の気持ちを込めてブログに残しておきたいと思います。

 今回もいつも通りの渡韓、そうなる予定でした。時々ハプニングを呼び寄せてしまうことはあるものの、それも含めて渡韓の醍醐味!ブログのネタにしよ!くらいの能天気な私です。仕事関連ではちょっと風が吹くだけで折れてしまうレベルの豆腐メンタルなのに、趣味関連のハプニングだと笑えてしまうから不思議です。ですが、今回はさすがに心が折れかけました。チケットの取り忘れ。しかも発券しようとした時に気付くという遅さ。予約履歴にずらっと並ぶミュージカル<OZ>の中に、虚しくもその日のチケットは存在しませんでした。元々忘れっぽいしうっかりしている自覚があるのでいつもチケットの取り忘れに怯えていてわりとこまめに確認する方ではあるんですが、何故今回に限って思い込んでいたのか。チケットの有無を一度も確認することなく、開演40分前を迎えてしまうという結果に至ってしまいました。この日は朝から数年ぶりに会うオンニと楽しくお茶をしていた私。最近ほとんど舞台を観てないオンニは観劇予定がないのに私に会うために大学路に来てくれていて、劇場まで送っていくよ~ってついてきてくれたんですよね。そして発券して別れる予定でした。しかしいくら探しても存在しない予約。自分のアホさに呆れつつも、滅多に完売しない公演。後ろの方なら当日券あるやろ!と高を括っていた私は、チケットカウンターで心を折られることになります。

「当日券ってありますか?」
「あ~~今日はないですね……」

 気まずそうなスタッフのお姉さんの顔が忘れられません。作品自体が好評で売れ行きがよくなっていることは確かなのですが、夏休みが始まったこともあり、この回は子ども達含めた招待客が多かったようです。招待客が多い=譲渡が出ない。きっと譲渡あるよ!探してみなよ!と一緒にいたオンニに促されて譲渡を探すも、驚くほどありません。今日一緒の回を観る予定だったオンニ達はまだ到着してなかったので、「あほすぎるミスやらかしたㅠㅠ今日のチケットがないㅠㅠ」と連絡。当日券か譲渡は?と聞かれるも、どちらもないと返事。「他の公演の当日券行きなよ!まだ間に合うから」と言われましたが、推しいないならどの公演観ても意味ない……と力なく返事をしました。日本の友人たちも別の公演をリストアップしてくれましたが、当時の私のライフはゼロ。観に行ったとしても確実に魂が抜けたまま上演終了していたと思います。その後、劇場に着くなり私を探してくれ、慰めてくれるオンニ達。その時、既に開演20分前。私のことは気にしなくていいから先に入って!私は来週また来るし!と入場を促しましたが、オンニ達は「みけどうするの~ㅠㅠ」となかなか入らずに一緒にいてくれました。一抹の望みをかけて譲渡を探していましたが、ツイッターで少し検索かけると制限がかかってしまう状況。ただでさえ譲渡が全く出ない状況で、不利すぎます。私自身はほぼ諦めてしまっていて、推しに持ってきた手紙は来週渡せるかなあ、さすがに推し観れずに帰るのは悲しいなあ、と漠然と思っていました。これが最後なわけでもないし、すぐ来週また来れるし、今回は残念だけど仕方ない!そう自分に言い聞かせながら。しかしそんな私に、一緒にお茶をした方のオンニが「みけ、待ってて」と一言。オンニは私のチケットが予約されてないことがわかった時からずっと無言でスマホを扱っていたのですが、何と友人たちに援助要請をかけてくれていたらしく、その友人たちと一緒に譲渡を探してくれていたのでした……。その事実を、1枚譲渡が出たから友人が問い合わせてると教えてくれたことで知るという。残念ながらその譲渡は数十秒差で負けてしまったそうなのですが、そこからずっと粘り続けてくれること数分。「みけ、席はどこでもいいよね?」と。非指定席だからどこかはわからないチケットの譲渡が出て、それをオンニの友人が掴めそうという連絡でした。実際にチケットを確認するまでは絶対ということはないものの、完全に諦めかけていたところに突然の希望。いい大人なのに恥ずかしいんですが、入れるかもと思った瞬間に涙が溢れてきました。泣かないの~~ってオンニ達に言われ、チケットのことで友人とやりとりをしているオンニには「大丈夫って口では言っててもやっぱり辛かったんだね~!」って笑われ。自分でも大丈夫だと思ってたので、涙が出てくる自分にびっくりでした。既に開演10分前というギリギリの時間。カトクだと時間がもったいないと思ったのか、友人とのやりとりを電話に切り替えたオンニの元に、すぐに予約履歴が送られてきました。すぐに地下に降りていくオンニの後を追います。私の胸の中は、ほんとに観れるの??ほんとに???という気持ちでいっぱいでした。そして、無事にチケットを引き替えて戻ってきたオンニが私に封筒を渡しながら、一言。

「はい、私からのプレゼント」

 いやかっこよすぎません!!!????一緒に観るオンニ達から歓声が上がりましたが、びっくりしすぎて言葉にならなかっただけで、私の心もスタンディングオベーション(?)でした。しかもそのチケットが中央前方という見やすい席だった上、一緒に観るオンニ達の内のひとりの隣という奇跡。入れるだけでもありがたかったのに、座席の見やすさとオンニの隣という幸運まで付いてきて、夢かな……?と何回も思うレベルでした。チケットをとってくれたオンニは「楽しく観るんだよ~~」と私を抱きしめて去っていくという最後までかっこいいオンニ。チケットをとってくれたオンニと一緒に観るオンニ達は面識がなかったので、「みけ、待ってて」と立ち上がった時に初めて私の知り合いということを知ったんですよね。たまたま近くで座ってスマホを触ってる人と思っていたみたいで、え!?知り合い!?ってその時点で驚いてたんですが、チケットをもぎ取ってくれたことでますます何者!?ってなったみたいで、終演後に「あの能力者は誰!?」「オーラが見えた!」とオンニの話題で持ちきりでした。落ち着いてからオンニにお礼のカトクを送ったら「私の友人たちそういうのに(チケットが絶対必要な公演がある時とか)めちゃくちゃ強いから、何が何でも掴んでくるんだ^^」と。頼んでくれたオンニにも、見も知らずの外国人のために一生懸命チケットを探してくれたオンニの友人の方々にも、ほんっとうに頭が上がりません。「今度会う時私が奢ります!」って言ったら、「気にしないで~!でも美味しいものは食べに行こう」とこれまたかっこいい返事が来たのでした。オンニがいなかったらきっと観れずに悲しい気持ちで帰ることになっていたと思います。翌朝帰国からのエクストリーム出社が決まっていたので、観れないならいっそ夕方に帰国しよっかな……なんて一瞬考えました。それくらい今回の渡韓にとって重要な公演だったので、本当に本当に観れてよかったって気持ちと、周りへの感謝に溢れた一日になりました。いつも環境に恵まれてるなとしみじみ思いながら生きてますが、今回改めて周りのおかげでハッピーにオタ活できてるなと思った渡韓でした。

予約の確認、徹底します!!!!!!!!!(反省)

韓国レミゼに行こう!

 韓ミュ渡韓のススメ、なんて大それたものを書くには経験も知識も不足している私ですが、韓国でミュージカルを観たことないフォロワーさんの中で「レミゼあるなら韓国行ってみようかな!」という方が複数名いらっしゃるので、このチャンスを逃がすまいと少しでもお役に立てたらと思って記事にしてみました。

 

 韓国入国の際に必要な書類などはその時によって変更になっている可能性があるため断言はできませんが、この記事を書いている2023年7月19日現在、事前に用意する必要のある書類はなくなっています。(K-ETAが今のところ12/31までの期間限定免除なので、来年以降必要になる可能性はあります)コロナに関する検疫も撤廃されたので、書類関係は機内で渡される入国審査用のカードのみ必須という状況です。この辺は詳しく書いてくださってる記事がたくさんあるので、行かれるタイミングで調べるのが確実と思います!

 

1.韓国レミゼの日程

2023.10.15~11.19 釜山(ドリームシアター
2023.11.30~2024.03.10 ソウル(ブルースクエア)
2024.03.21~04.07 大邱(啓明アートセンター)

 

 今回の韓国レミゼはソウル始まりではなく釜山から始まり、ソウル、大邱と続きます。もちろん「少しでも早く観に行きたい!」という方は釜山に行くべきですが、道のりなどのわかりやすさや情報の多さなどを考えるとソウルが一番行きやすいかなと思います。他の公演を観れるという意味でも!

 

 

2.チケットの購入

 韓国は基本的に先行などはなく、チケットサイトで一斉にオープンしたものを早い者勝ちで好きな席を購入していく形になります。複数のチケットサイトに分かれている時は、購入できる席も分配されている状態です。全体的に公演期間が長いので、1次オープン、2次オープン…と期間ごとに分けて販売されていきます。後からハマってもチケットの追加がしやすいので、ありがたくもあり、恐ろしいところでもあります笑 作品によっては課金すると通常のオープンより1時間早く参戦できるシステムがあったり制作会社独自の先行に参加できたり、先行がないわけではないですが、今回は渡韓未経験者向けなので割愛します。(そもそも私も詳しくないです笑)

 チケットは各チケットサイトのグローバルサイトで購入できます。レミゼはインターパークでの販売になるので、インターパークの説明をしていきます。(今まではスマホでも普通に使えたのですが、最近スマホでは見れなくなりました。iPhoneだと「デスクトップ版に切り替え」で予約に進んだり予約確認ができますが、なかなか見にくいです。)

 

www.globalinterpark.com

 

 インターパークは右上で日本語に切り替えられるので、サイトの扱いも難しくありません。会員登録はメールアドレスで説明通りに行えばOKです。パスワードは文字、数字、特殊文字を組み合わせたものが必要になります。ただし使える特殊文字に限りがあるようで、もしこの3つを組み合わせたパスワードなのに弾かれる><という時はNGな特殊文字の可能性があります。-はOKだけど_はダメだったり等。その時は別の特殊文字で試してみてください!あとは文字数が極端に短いと弾かれることもあるみたいです。8〜20字以内だったらたぶん大丈夫のはず。エラー通知が「桁内のパスワードを〜」という曖昧な表記なので困惑するかもしれませんが、一般的(?)な長さのパスワードならきっと大丈夫と思います。

 

 チケットの買い方も簡単です!作品を選んで「日本語で予約」を押せば日本語になります。即キャンセルすれば手数料もかからないので、オープンと同時に初チャレンジはちょっと怖い……な方は試しに実際に購入してみるのもいいかもしれません。(その時は必ずすぐキャンセルするようにしてください!)

 

 行く日程を選ぶと座席画面が出てきます。色が付いている所が購入できる席で、席種ごとに色が違っていて、右側に各席種の名称と価格が記載されています。これはムーランですが、作品や劇場によって価格や席種は変動ありです。好きな座席を選んで個人情報の入力後、購入に進めばOK。海外クレカOKです。ただしカードによっては弾かれることもあります。

 

 これは個人情報入力に移る前のチケット枚数選択画面で、本国版だと割引が選べるんですがグローバルには割引はないので、選択した座席数に合わせて枚数を変更してください!(2枚座席を選択したなら2にする)ちなみにこの画面以降、キャンセル手数料が確認できます。日付で記載されてるのでわかりやすいです。

 

 ちなみにキャンセル手数料に関しては購入の最終確認の時にも出てきますので、そこでも確認できます。問題なければそのまま支払い!チケット価格+手数料3000ウォンでの購入になります。(このスクショを撮った時は2000ウォンだったのですが、値上げで3000ウォンになりましたㅠㅠ)

 

 予約完了するとこんな画面になります。

 

 

 その後はホーム右上にある〈My ticket〉からいつでも購入済みのチケットの確認ができます。チケットリストはキャンセルしたものも入ってるので、実際はこんなに大量にチケ確保してるわけではないです!笑 良席が出る度にキャンセルと予約を繰り返す韓ミュオタあるある……。(そしてキャンセルを忘れ、悲劇が起きる……)

 上のリストから選べば詳細を確認でき、いつでもキャンセル可能です。(直前になるとキャンセルできなくなるので、期限内に限りますが)先ほど試しに予約したムーランもすぐキャンセルしたのでキャンセル済みになってます。

 

 

 劇場ではチケット引換カウンターがあるので、予約内容をスマホを見せればOKです。予約内容印刷ボタンがあるので、それを押して出てくる画面を見せてます。初めの方は不安だったのでこのページをプリントアウトして持って行き、その紙を見せてました!私はこの前急にログインができなくなり画面を見せられなくなったのでパスポートで対応して頂きましたが、初めての方は印刷して持っていくのが安心かもです!あと外国人相手だと聞かれないことも多い気がしますが、チケットを受け取る際に電話番号下4桁を聞かれることがあります。前は誕生日を聞かれたことも。聞かれた時のために韓国語で4桁を言えるように練習してたこともありましたが、そもそもその辺が何を言われてるかわからなくても、自名義でとってたらすぐ証明できるし何とかなります!!ちなみにチケットは客席に入るところでもぎられるので、劇場自体にはチケットがなくても自由に出入りできます。

 

 

3.ソウルでの移動やクレカ事情など

 移動は地下鉄、バス、タクシーなどがありますが、地下鉄が遅延も少なく逆算もしやすく乗り降りもわかりやすくてオススメです。街に出るのも空港鉄道がわかりやすいと思います。地下鉄もバスもT-money(SUICAみたいな交通カード)利用が楽です。T-moneyは駅では売っていないので仁川空港・金浦空港内のコンビニで購入し、空港鉄道の改札前でチャージして使用します。チャージは現金のみ。韓国ウォンの現金はソウルの交換所で換金した方がレートがいいですが、上のような状況で現金が必要になってくるので、渡韓前に多少は換金しておくことをオススメします。キャッシュレス大国なのでほとんどの場所でクレカ対応ですが(むしろ現金嫌がられることも)時々海外クレカが使えないことも。私のクレカも弾かれがちなので(仁川のスタバでさえ弾かれたりする)、保険的にNAMANEカードとwowpass持ってます。(どちらかひとつでいいとは思います)韓国クレカが使えるところならほぼどこでも使えるので、今のところ海外クレカ弾かれた店でも弾かれたことないです。どちらもチャージ式のプリペイドカードで、交通カードとしても使えます。ただ交通カードは別財布的な扱いなので別途チャージが必要です。細かいことは詳しく比較しているサイトがあると思いますが、ざっくり説明するとこんな感じです。

 

wowpass
・日本円でのチャージ可
・ウォン現金引き出し可

 街中にあるwowpassの機械を通じて自分のカードに日本円でチャージすると、韓国ウォンで引き出すことができます。一番のメリットはここかなと。

 

NAMANE
・海外クレカでのチャージ可
・アプリで交通カードへの移動可能

 日本のクレカを紐づけしてチャージすることができるので、機械が見当たらなくてチャージができない時でも大丈夫です。あとはアプリを使ってそのまま交通カードにウォンを移動することができるので、現金がなくてもチャージが可能です。

 

4.その他

 出発前に入れておくと便利なアプリは、こちらのサイトでまとめてくださってるので共有しておきます。地図に関してはNAVERマップも日本語対応があるものの対応していない情報も多いので、<コネスト韓国地図>というアプリが使いやすいかもです。

 

www.creatrip.com

 

 ちなみに私は<NAVERマップ><Subway Korea><Tロッカー>を活用してます。韓国語が読めない方は、<papago>は画像翻訳という読みたい場所を撮影するとそのまま訳してくれる機能もあって便利だと思います。(上記のサイトにも記載してありました!)Googleマップも使えないことはないのですが、個人的には山を飛び越えるようにナビゲートされた結果開演に間に合わなかった苦い思い出があるのでそれからは使ってません。余談ですが通りすがりのお兄さんにダメ元でマップを見せながら道のりを聞いてみたら、しばらく黙ったあと「ジャンプ?」って困った笑顔で返されたのはかわいかったです。あの時は困らせてすみませんでした。

 

 ざっくりと色々書いてみましたが、実際に行くとなるともっと調べることが出てくるかなと思います~!もし調べてもわからなかったり不安なことがありましたら、私がわかる範囲であればお答えできるので何でも聞いてください。あ、安い航空券の探し方やホテルの探し方などに関しては、私が知りたいです!笑 

 

 韓国語に関しては、もちろんわからないことで不便もあるかとは思いますが、わからなくても意外に何とかなります。今の方が翻訳アプリも発達していますし、この前も空港で翻訳アプリでやりとりしている方も複数見かけました。ただ、ここに関しては運や性格にもよると思うので、誰でも全然大丈夫!とは無責任に断言できません......!でも韓ミュに出会って人生変わった身としては、一度韓国でミュージカル観てみよう!?と心からオススメしたいです!!

 

 というわけで、みんなでレミゼ行こう~~~!!!!!

みけ的イェグリンアワード2022

いつも年末に今年の総決算!的な感じで開催しておりました、みけ的イェグリンアワード。みけグリン。イェグリンって何やって人のために一応解説しておくと(1年3ヶ月ぶり6回目)、韓国ミュージカル界の大型授賞式です。ミュージカル版アカデミー賞みたいな。そんなイェグリンアワードを独断と偏見のみで勝手にやっちゃおう的な、私的イェグリンアワード。

 

ちなみに前回はこちら。

mikkerables.hatenablog.com

 

2022年は、ついに渡韓解禁!という待ちに待った年となりました。コロナの状況や飛行機の価格高騰などでまだまだ今まで通りに渡韓、というわけにはいきませんが、2021年のどう頑張っても遠征できないという状況に比べたら天と地の差。これを書いている2023年3月現在、コロナ前のように韓ミュ仲間のお友だちに会えることが少しずつ増えてきたなあと感じています。個人的には8月が渡韓解禁となりました。とはいえまだPCRが必須だった頃、仕事用のパソコンを持って職場のデスクに万が一の場合のメモを忍ばせて(いや渡しとけよ)決死の思いで飛んだことはこれから先も忘れられない気がします。それもあってか、10月にPCR検査がなくなったことで全ての理性が吹き飛んでしまった2022年。渡韓数、7回。10月に3回、12月に3回という謎のペースで渡韓をキメてしまったのでした。いやみけグリンってこんな自分語りするものじゃなかったよね!?

 

最初から脱線してしまいましたが、気を取り直してみけグリンの発表に移っていきたいと思います。

 

総観劇数:23回

ミュージカル:17回

演劇:3回

コンサート:3回

作品数:12演目

 

【みけグリン賞】イ・スンホン

みけグリン賞……絶対に何か賞は授けたいけど当てはまる賞がない時に時々現れる賞。いや2年半ぶりのスンホンくん最高だったので入賞しないわけがないんですが、ミュージカルではなくコンサートと演劇だったので何?何賞を授ければいいの???ってなった結果こうなりました。演劇ラブレター、正直言ってもどかしさの塊だしキャラクター2人のどちらにも共感できなくて話として好きかと言われると決して好きではないんだけど(ごめんなさい)、それでも10代から60代を演じるスンホンくんが観れたので100点です。歌ってるスンホンくんが好きだけど、色々な表情を観ることができたのでお得でした。(もっとまともな感想ないん)ドデビルコンサートは、SUKI......の一言しか出てこなかったです。2年半ぶりの推しを目の前にするとこんな感想しか出てこないんだなあって思ったけど、2年半ぶりじゃなくても私の感想はわりとこんな中身がないあほなものばっかりだった気がします。2年半っていう月日の中でやっぱりスンホンくんも年を重ねてて、この2年半を直接この目で観たかったよ~~って泣きたくなる夜もありますが(良い感じに言うな)、それでもまたスンホンくんを直接この目で観ることができたのでそれだけで2022年最高の始まりになりました。2022年、8月から始まったんかな。なんかもうスンホンくんを観れた!!!って気持ちが大きすぎてドデビルコンサートの記憶が曖昧なんですけど、上手かった歌がますます安定するようになった気がします。特に高音!!綺麗に出ててめちゃくちゃかっこよかった。見る目にも聞く耳にも自信ないし欲目もあるとは思うけど、イ・スンホンぺうにむ最高と言うことだけはここに書き記しておきたいと思います。スンホンくんが舞台に立ってくれてて私が元気だったらずっとずっと応援していきたいって気持ちも新たにできたので、8月飛んでよかったし、10月も突発遠征してよかったなって。2023年も、どんな作品に出てくれるのか楽しみです。でもひとつだけわがままを言わせてもらえるなら、2023年はぜひミュージカルでも観たいな~~!!!!

 

 

【楽しい年明けをありがとうで賞】ミッドナイト:アクターミュージシャン

ミッドナイトに関しては、大晦日に深夜公演!?カウントダウンやるんかな楽しそう!という完全なノリで友人と一緒に観に行ったんですが、おかげでほんとに楽しい年明けになりました。年末年始の変なテンションも相まってか観劇前後も終始ずっと笑い転げてたんですけど(周りから見たら完全にやばい外国人2人)、ご機嫌で観たミッドナイトも最高で!!!予習ゼロで内容もよくわからないまま挑み、結果的にわからないところ聞き取れなかったところたくさんだったんですけど、曲だったり演出だったり個人的に好きな部分が多くてミュージカルとしてすごく楽しめました。遊び疲れてからの深夜公演だったので正直なところ寝てしまったらどうしようかと心配してたんですが、そんな心配全く必要なかったってくらい一瞬も眠くなる暇がなかったです。サブタイトル(?)通りマルチ的な役割の俳優さん達が俳優兼ミュージシャンをされてたんですが、おばけのようなメイクで演奏したり演技したり時には家具や小物になったりするのが個人的にはめちゃくちゃ良くて、幕が開いてアクターミュージシャンが目に入った瞬間、これは好きかも!と直感するくらいには好みでした。ああいうダークな雰囲気大好き。アントラーズの方も観たいなと思いつつ、なかなかタイミングが合わず……。でも色々と違うと聞いたので、いつかぜひ観てみたいです。アクターミュージシャンも再演が決まったらぜひ観たい!2023年が最高になる予感しかしない最高の幕開けにしてくれたミッドナイトに感謝です。(頭痛が痛い)

 

 

助演男優賞】ソン・テジュン

ドゥソプさーーーーーん!!!!!!!もう今はドゥソプさんではないですが、ついドゥソプさんと呼んでしまうドゥソプさん。ヨボショのドゥソプさん、実は2018年から観たいし観るべきだと思ってチケットを取ってたこともあったんですが、某マジックショーの推し関連で色々ありチャンスを逃すこと数回。やっとヨボショのドゥソプさんを観れました!!!かわいいとかっこいいが共存している永遠の初恋枠。私の中のミーハー心が悲鳴をあげていました。腕縛られたまま肩組むの面白かわいい。

 

【主演女優賞】キム・ウンソル

いわゆるマグル劇である<ハートシグナル>で主演をされていた女優さんなんですが、めっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ可愛かった!!!男女入れ替わりものなのでめちゃくちゃ可愛い顔とめちゃくちゃ良いスタイルでめちゃくちゃがさつな動きをするんですが(男主人公が体育会系でがさつなキャラ設定)、それがまた何やっても可愛くて終始「かわいい......」ってなってました。音響が微妙で音が落ちる部分があってもったいなかったけど、歌もうまくて表情もコロコロ変わって魅力的な女優さんでした。違う訳でまた観てみたいなあ。

 

 

【作品賞】アンナ・チャイコフスキー

【主演男優賞】パク・ギュウォン

みなさん、俳優さんに惹かれた時、どういう基準を越えたら推しって認定しますか?その人をもう一度観たいと思った時?その人が観たくて渡韓を決めた時?渡韓で観れる分すべてその人に突っ込んだ時?今年の観劇数だけで言ったら実質本陣じゃんと言われた時?全然初見じゃないし何ならブラックスーツで10回観てるんですけど、顔がかわいい歌がうまい足が細いの印象は3年前から何ひとつ変わらないままなんですけど、気付いたら2022年で12回観てました。7回の渡韓で12回。韓国では3年ぶりのミュージカル、せっかくならギュウォンさんで観るか~って軽く思い立ったのが全ての始まりでした。ヴァニシングを観て、やっぱりミュージカル好きだな~~アンナチャイコフスキーも観ておこっかな~~みたいな感じで無理やり詰め込んだ観劇。(でもヴァニシング観たのは同時刻に「枠余ってるならばにしん観て!」って連絡してきた友人たちのせいだし、何ならアンナチャイコフスキー観るか迷ってたところを「いってらっしゃい」って笑顔で沼に突き落とした友人たちの……おかげ!!??)ただアンナチャイコフスキーはマッコンも近づいていたのでそもそもチケットとれないかもな……とチケットサイトを覗いてみたら、なんと3列目センターが。制作段階でも色々あって開幕も遅れたらしいアンナチャイコフスキー、売れ行きもそんなに良くなかった様子……。開幕当初は辛辣なレポも多かったとのこと。(あとはロシアが舞台ということでご時勢的にそれだけでちょっと...な観客もいたとの話も)それでも観に行かれた方の感想を聞いて、私は好きかもな~~と思いも強かったので観てみることに。結果、帰国してすぐに翌週のエアを押さえていました。観劇当日はなかなかハードスケジュールで、心地良い音楽って聞いたし寝てしまうかも……とかなり心配をしていたのですが、大号泣で劇場を後にすることになるなんて。ミュージカル好きだな、また観たいなって気持ちがあってアンナチャイコフスキーのチケットをとったことは間違いないんですが、その頃の私は心から「ミュージカルやっぱり大好きだ!!また通うぞ!!!」と思えるほど元気いっぱいという程ではなく、元々その日も友人とゆるっとご飯食べに行くか~くらいの予定だったんです。ミュージカル観ても観なくてもいいかなあというゆるさで。昔の私だったらミュージカルなしの渡韓なんて嫌!どうにかして観劇ねじ込む!くらいの勢いだったと思うんですが、なんだか人生に疲れ切っていて(他人から見たら甘すぎる!ってなるくらいの人生ですが笑)、ねじ込むまではしなくてもいいかなあ、みたいなテンションでした。それがアンナチャイコフスキーを観たことで一変。私が知ってる昔の私、いや何ならそれ以上に全力渡韓の半年が始まりました。言葉で説明するのは難しいんですが、ささくれだっていて荒みまくっていた私の心に、ギュウォンさんのチャイコフスキーの温かい歌声が刺さったんですよね。辛い出来事でどん底まで落ちて、死ぬほど悲しんで苦しんで、でもその先でちゃんと自分の足で立ち上がったチャイコフスキー。その歌声に癒やされて、励まされて、生きる元気が湧いてきたっていうとめちゃくちゃ重いんですけど、この時アンナチャイコフスキーを観なかったら、今の元気な私はいないと思います。温かい音楽じゃなくて戦地で戦う兵士たちを鼓舞するような音楽を作るように言われたチャイコフスキーが、戦う兵士たちのためではなく戦争で大切な人を失った人たちを癒やす音楽を作りたいって返す場面があるんですが、アンナチャイコフスキーという作品から、そしてギュウォンさんのチャイコフスキーからその温かさ、癒やしを受け取った気がします。毎日がしんどくて、でもどうにか変えたくて、でも変えられなくて、職場でもトイレに行く度にわけもなく涙が出て、みたいなしんどい毎日が、月曜日の激励的なアンナチャイコフスキー公式動画を観て毎週耐える、みたいな日々に変わりました。(実は僕は月曜日休みなんですけど皆さんは頑張って出勤してください!って笑顔で言ってる、今思えばちょっと無責任な動画だけど笑)もうこんなのアワードでも何でもないしアンナチャイコフスキーのこともギュウォンさんのこともちゃんと語ってないけど、2022年、この作品、この俳優に出会えてよかったと心から思うので、作品賞、主演男優賞を送りたいと思います!!!!!!

 

 

:一年を振り返って

渡韓できるようになってよかった!!!!!(しみじみ)10月からの3ヶ月、ラストスパートのように気が狂ったように渡韓してしまいましたが、悔いなく飛べたので後悔はありません。(頭痛が痛い2)5年間休みなく舞台に立っていたギュウォンさんが少し休むとのことで次回作がなくて自分のタイミングの悪さに泣いてますが、2022年上半期はずっと働いてたスンホンくんが私の渡韓再開してからはミュージカル出演がなくて正直寂しいですが、ミュージカルの楽しさを感じる心と元気を取り戻したので、2023年は元気に楽しく渡韓ライフを送りたいと思います。推しがいると全力投球タイプで他の作品が観れなくなってしまいがちなことを改めて痛感したので、推しが舞台にいない間に色んな作品を楽しみたいです。2023年、より楽しい一年になりますように!今2023年3月だよ!?

ミュージカル『ミス』個人的感想つきストーリー

 ストーリー覚え書きに私の感想と茶々が入ってるバージョンです。単純にあらすじが気になる~って方はストーリーのみの方をご覧ください。(いやそもそも読む人、いる???)ちなみに推しペアはジオンくん者乙山君&ギュウォンさんミスです。大体そのふたりの話しかしてませんのでご了承ください。

 2/20、マッコンを終えての感想追記はこの色で書き足してます。いやマッコン後に完成させるべきだった説。

 

 舞台は第7代国王である世祖が国を治めていた15世紀の李氏朝鮮。世祖が自身の甥である端宗を死に追いやった場面より、物語の幕が開く。世祖は甥である第6代国王端宗に退位を強い、王座に着いたのであった。

 その世祖の孫である者乙山君は、世祖とは違い大変穏やかで、詩と風流を好む青年だった。遠く離れた山に住む幼馴染ミスのことをいつも気にかけていて、宮廷がある漢陽に来ないかと手紙を送っているが、何度も断られている様子。共にいられたらどれ程いいだろうか。そう、ミスからの手紙に視線を落としながら物思いにふける者乙山君(別名、恋焦がれナンバー)だが、その願いは叶わないまま手紙でだけ交流を続ける日々が続いていた。そんなある日、者乙山君の元に世祖がやってくる。李氏朝鮮が滅ぶと謳っている預言書の作者、そしてその預言書の中で李氏朝鮮を滅亡に導くと言及されている<正道令>という人物を探せという命令とともに。

 ミスに協力を募ろうと、山を訪ねていく者乙山君。しかしミスがいるはずのその場所にいたのは、自分の記憶にある小さな可愛い女の子だったミスではなく、立派に成長して男物の服に身を包むミスの姿だった。とりわけ小さな子だったから大きくなりますようにとは願ったが、ここまで大きくなるとは……と驚く者乙山君を不審がるミスは、何故男物の服を着ているのかと聞かれ、男だからに決まっていると返す。女には見えんやろそして、姉であるミスに会いに来たようだが姉はしばらく帰らない、と者乙山君に伝えるのだった。しかしミスの弟を名乗るその男は、者乙山君の記憶に残る<ミス>の面影がある。それもそのはずで、ミスに弟など存在せず、紛れもなくミス本人だった。やや不思議に思いながらも、友人ミスの弟なら自分にとっても弟のようなものだ、と受け入れる者乙山君。大好きなミスの弟とわかって良く見られたがる者乙山君かわいい。「ヒョンニムに挨拶をするんだ!」って言うけどミス頭下げてるから「いや、挨拶はしてるな…」って冷静になるジオンくん者乙山君笑う。ジオンくんギュウォンさんのペアマッコン、頭下げてるギュウォンミスの頭を上げさせようとするけど頑なに頭を上げてもらえなくて笑った。겁이 많구나...ってちょっと動揺しながら無理やり立たせてた。ミスは突然訪ねて来たその男が者乙山君と知り、驚くのだった。

 個人的に、ジオンくんの者乙山君なしにミスは語れません!!シリアスとギャグの緩急の付け方が上手すぎて毎回感嘆。登場からなかなかギャグ多めな者乙山君なんだけど(あまりにも笑いに振り切ってて初日観た客たちにヤンジウォンさんのアドリブと思われてて笑った)、ジオンくん者乙山君は笑えつつもミスに対する優しさが溢れててときめく。ミスに追い返そうとされて「薄情だ!」って怒鳴ってミスが慌てて頭を深く下げた時も、そんなつもりじゃなかったんだ…って優しく両手をとって立ち上がるまで起こしてあげてたり(この動きがめちゃくちゃ紳士)、普段はこんな人間じゃないんだが…って弁解してたり、優しいし可愛い。ふとした表情だったり些細な仕草で情が深い人間ってことが伝わってくるところも大好き。あと久しぶりの再会の時にジウォンさんとジュニョンさんはミスを見て驚いてるんですが、ジオンくんはミスを見た瞬間パアッて表情が明るくなるのも個人的なときめきポイント。(驚くパターンももちろん面白くて好きですが!)

 

 会えない間も者乙山君がミスのことを想い続けていたのと同様に、実はミスも山で暮らしながら者乙山君からの手紙を何度も読み返し、一緒に過ごせたらどれほどいいだろうかと想い続けていた。それにも関わらず、ミスの弟として者乙山君に接するミス。切なすぎるから早くミスって気付いて!って思ってたけど、正直に話せてしまったらこの作品は開始10分で終わる。者乙は<長年想ってきた友人であるミスの弟>相手に、ミスとの幼い頃の思い出を語り始める。ここでジウォン者乙山君は「おぶって育てた~」って言いながらミスを本当におんぶするの笑う。おんぶされるミス役者さんもおぶられるの上手い。泣いていたら絵も描いてあげ、手がベタベタになるほど梅雀菓(韓菓)を握らせてあげたこと。そして、君を守る木になると伝えると、私はあなたを包む風になりますと答えてくれたという幼い頃のミスの話。想い出のお守りを大事そうに見つめる者乙山君の後ろで、ミスもまた、隠し持っていたお揃いのお守りを見つめるのだった。

 昔話をしながら者乙山君がミスを連れて宮廷中を逃げ回った時の思い出を再現してるんだけど、ジオンくん者乙山君の再現に付き合わされてるギュウォンさんのミスが可愛い!頭の上にハテナを浮かべながらついていかされてるんだけど、ジオンくんが門の向こう側を覗くと一緒に覗いてたり、しゃがんだらちゃんと一緒にしゃがんでるの特にツボで。序盤のミスはとにかく者乙山君に振り回されてるので、ギュウォンさんに限らず動揺してる姿が可愛くて好き。

 

 しかし自らの正体を明かすことのできないミスは者乙山君に気づかれる前にそのお守りを袖に仕舞い、素知らぬ顔をしたまま、姉を訪ねてきた用件は何かと者乙山君に問う。要件を話し始める者乙山君。それは、預言書で言及されている正道令なる人物を一緒に探してくれというものだった。世祖からの命を受けて探すことになったのだと話す者乙山君に、どれだけ危険なことかわかっているのかとミスは問うが、者乙山君は気にかけていない様子。その上、預言書の内容を書き換えてミスの名前で再度広めることで、本物の作者、そして正道令を誘き寄せるという提案だった。姉を巻き込むなとミスは断ろうとするも、者乙山君の強引さに結局は折れ、協力することとなる。ミスは人々の動向を探るのだった。

 者乙山君がミスを巻き込む作戦を伝えるナンバー。どの者乙山君も人の話を全く聞いてなくて我が道を行くタイプで笑ってしまう。(いやまあ者乙山君がそういうキャラではあるんだけど)途中で者乙山君が花びらをミスに吹きかけてばら撒くんだけど、ギュウォンミスは箒で掃いて掃除するついでにいつも者乙山君を攻撃してるのがめちゃくちゃ好き。時々執拗に掃かれ続けてる者乙山君。笑 ジウォン者乙山君は後ろ足で蹴って反撃してることも多くて、あっすみません!って感じでわざとらしく去っていくギュウォンミスと相まって笑ってしまう。ジウォン者乙山君はこのナンバーで誰よりも生き生きしてて、無邪気に煽ってくるのもさすが(?)すぎて!笑 ジュニョン者乙山君はどこだったか自分で言ったギャグで大爆笑して「えっ面白くない?」的なこと言ってる。他のふたりはしれっと言って流すところを引っ張るのも笑う。でも、面白くはないよ!笑

 

 一方世祖は、それまで死に追いやってきた人間の亡霊につきまとわれている。弟である安平大君、甥である端宗、甥の妻である敬恵公主、そして臣下たち。しかし世祖は、自分の犯した暴虐の数々を平然と正当化するのであった。

 度々訪ねてくる者乙山君のことを、人知れず心待ちにしているミス。泣いている声が悲しすぎて聞くのが辛いと手を握ってくれた幼い頃の者乙山君。自分にとってはこの生きている時間さえも贅沢だったのだろうかと自問自答しながらも、多くは望まず、ただ者乙山君の手をもう一度握りたい、そんなささやかな願いを抱いている。しかしそれも難しいならと、来世でまた出会えることを祈るのだった。

 いや健気!!!!!健気すぎる!!!!!!者乙山君早くミスのこと幸せにしてあげて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!来世じゃだめです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!手をもう一度握りたい~の歌詞のところで者乙山君が自分の手をそっと握りめてるところがまた泣ける。

 

そんなミスの想いなど知るはずもない者乙山君だが、ミスの弟を名乗るその男が隠している秘密に違和感を抱き始めていた。このシーン、雨が降ってる中で者乙山君がまたミスの元に訪ねて行くところなんですが、ミスと対面してミスの顔に灯火を近づけるのがたぶん実際の脚本かなと思うところ、ジオンくん者乙山君はミスの頭の上に手を掲げて雨から庇ってくれるところが最高で……。スペシャルカーテンコールのギュウォンさんが歌ってる<어디로>の最後にそのジオンくんが出てくるので、美声ギュウォンミスと共によろしくお願いします。そんなはずはない、とミスの顔をまじまじと見つめる者乙山君。しかし打ち消すように首を振り、進展がないことへの焦りを見せる。それほど気が急いているのなら、と口を開くミスに、一緒に漢陽に行こう、と話す者乙山君。ミスは溜息を吐きながら、ひとりで帰ってくださいと促す。わずかに沈黙が降りたあと、ミスは者乙山君に、正道令を探し出してどうするつもりなのかと尋ねた。正道令と一緒に力を合わせればよりよい国を作ることができる、そう言った世祖の言葉を信じている者乙山君はその言葉をミスに伝えるが、ミスは首を振り、続けるのだった。

「正道令と、関連のある人間はすべて死ぬことになります。それでも探すのですか?」

「偽られた者の前では世界はただ偽りで溢れているものだが、真実の者の前では世界はただ真実で満たされているものだ」

「疑うことを知らない者の前に置かれるのは、作られた真実のみです」

「私は人を信じる。殿下を信じ、ミスを信じ、そしてお前を信じている。ゆえに私が疑わなければならない理由がわからないな」

↑この「ミスを信じ、そしてお前を~」のところでジオンくん者乙山君はミスに向けて手を掲げるんだけど(何て表現したらいいかわからないけど指をさすの手バージョンみたいな感じ)、もうミスの弟じゃなくてミスって確信してるんだろうなって感じる。ミスってわかってるけど、言わない。ジオンくん者乙山君は節々にミスをミスとして見てるんだろうなって感じられる部分があって大好き。

「何も知らない人間は愚か者だが、知らないふりをする人間はただの卑怯者です」

「あの本は分裂を産む。分裂の混乱を産むだろう。分裂を治めて合わせることができたなら、よりよい世界を作ることができるではないか」

「分裂を治める方法は他にもあります。分裂を起こす者を殺すのです。王は既にそうなさったではありませんか」

「祖父はこの国を正すために行ったのだ。私は祖父が私にかけてくれた言葉を信じている」

「何も知らない人間は愚か者だが、知らないふりをする人間はただの卑怯者です」

この台詞、こうやって書き出すとすぐ繰り返してるみたいだけど、実際はナンバーの間奏での台詞なので結構時間差はある。真剣に訴えるミスが切ない。

 冷たく言い放つミスに、者乙山君は何も答えない。

「どうして姉を探しに来られたんですか」

「友だからだ」

「友はもう去ったと申し上げました。何故まだここに留まっていらっしゃるのですか」

「留まっているのではない、待っているのだ」

「本当にそれだけですか」

「私もひとつ尋ねよう。何故ミスを待ってはいけないんだ。何故ミスを訪ねるための別の理由が必要なんだ」

 その言葉に、ミスが答えることはなかった。

「本当にお前は秘密が多いな」

直訳は「本当に秘密が多い子だな」なんだけど、ギュウォンミスがやたら箒で掃いてた時に「本当に箒が好きな子だな」って言ってたジオンくん者乙山君かわいかった。ちなみにジュヌミスは箒を使わない。

「あなたがどれだけ目を背けても、王は正道令を生かしておく人間ではありません。私が聞きたいのは……お前は正道令を生かす人間なのか、それだけだ」

 そう言い残し、去っていくミス。同じ頃、者乙山君の元に矢文が届く。従わない者を殺戮する畜生の姿が見えないのかと、兄弟を殺してその王座についた非道さが理解できないのかと、世祖の悪行を訴えるものだった。祖父がそうしていなければ国は更なる混乱に陥っていたはずだ、と自分に言い聞かせるように首を振り、再びミスの元を訪れる。祖父が王になるために多くの人を殺したと言うのだなと問う者乙山君にミスは、何事にもそれぞれの視点があるだけです、と話す。嘘である可能性はないのかと問う者乙山君に、あなたが忘れれば嘘になります、と返すミス。どうするべきかと問う。私の考えが何の関係があるのかとミスは返すが、もし君がミスであればどう思うだろうか考えて代わりに答えてほしいと、請う者乙山君。もう絶対ミスって確信してるやん???それでもそう言わないのは者乙山君の優しさなのかな……。

「他人の言葉に揺らぐことなく、悪行を働かず、正義に反すことは行わず、善良を追い求めていけばいいのではないでしょうか」

 その言葉を重く受け止めた者乙山君は、祖父の元に行かなくてはいけないと、ミスの元をたつ。届いた矢文を見せれば何かしら答えてくれるはずだ、と。自分を大事に育ててくれた祖父がそんなことをするはずはないと信じたい一方で、宮廷に戻った者乙山君が目を通す文献から浮かび上がるのは、祖父の暴挙を裏付けるようなものばかりであった。幼い頃に交わしたミスとの会話が思い浮かぶ者乙山君。

「今日、母が私を迎えに来ました。自分が誰なのかずっと気になっていたんですが……。王より名前も頂いたのです。私はミス。否定の未に、命を意味する寿と書いてミス」ここのギュウォンミスの幼女声(幼女声?)がめちゃくちゃかわいい~~~!!!ちなみにミスは声だけの出演。

「いまだ存在していない命、という意味か……」ここの者乙山君、すっごく切なそうな顔をしながら何か考えてる。

「……」

「私は最近、美しいという意味のミを習ったんだ。美に寿と書いて、ミス。その方が君にはふさわしいと思う。美しい人という意味だ」者乙山君~~~~~~~!!!!!!!!!!天才か~~~~~~~!!!!!???????

「美寿……本当にそう呼んでくれますか?」ギュウォンミス、本当に!って感じで喜びが伝わってきてかわいい……。

「ああ、たくさん呼んであげなければな。美寿……」ここのジオンくん者乙山君、涙を堪えながら無理に笑うんだけど、本当に本当に最高で。

 素直に喜んでいた幼い頃のミスを思い浮かべながら、複雑な想いに涙する者乙山君。

「実は私にも者乙山君ではない本当の名前があるんだ。教えようか?」

「はい、教えてください」

 そこへ、者乙山君の本名である「アム」を呼びながら現れる世祖。今まで一度も疑ったこともなかった祖父への疑惑。そんなはずはないと震えながら耳にした疑惑について問う者乙山君だったが、その願いとは裏腹に、返ってきたのは肯定だった。

「昔、好きだった友がいました。その友はある日突然宮廷から連れ出され、二度と顔を見ることができませんでした。どんな願いでも聞いてくれたお祖父様が唯一聞いてくれなかった望み、それがあの子を宮廷に戻してほしいというものでした。あの子は一体、誰なのですか」

「敬恵公主の息子、つまり逆賊の息子だ。名前はチョン・ミス」

 苦し気に目を閉じる者乙山君。ここの者乙山君がすごく切ない。自分の祖父が、ミスにとっては親の仇と知ってしまった者乙山君。ミスが世祖についてあれだけ訴えていた理由、自分の親を殺されたってことが根底にあるなんて辛すぎる。

「生まれてくる子供が女なら宮廷に入れて男なら殺すと話したら、女の服を着せて宮廷に隠しておった」

 そう冷たく笑う世祖は者乙山君に、その男が正道令だったのか、と問う。者乙山君は、自分が、そしてミスが置かれている状況に気づき、項垂れることしかできなかった。同じ頃、ミスは幼い頃に身に付けていたかんざしを発見する。覚悟を決めるミス。自分が<ミス>である証を持って、宮廷のある漢陽に向かうのだった。

 そして、漢陽。突然現れ自分に刃を向けるミスに対して、世祖は動揺することもない。逆に、自分を殺せば先程まで一緒にいた者乙山君が一番に疑われるだろうとミスを脅すのだった。世祖に向けていた刃物を下ろすミス。この命はどうなってもいいから者乙だけは助けて欲しいと懇願するミスだが、世祖は無慈悲に続ける。「生きていてもいいと言ってくれた唯一の人なのです、美しい命だと言ってくれた唯一の人なのです」っていうミスの台詞で、ミスがどれだけ者乙山君の存在に救われていたのかがわかって切ない。宮廷でひとりぼっちだった頃からひとりで山に残されてからもずっとずっと者乙山君の言葉を心の拠り所にして生きてきたんだと思うと泣ける。逆賊である正道令を捕える命を受けた者乙山君が、逆賊を捕らえられなかったらどうなると思うのか。もしも逆賊を見逃したとなると、どうなると思うのか。そう淡々と話す世祖にミスは、どっちにせよ私に選択肢などありません、と続ける。私が去れば、アムは逆賊を取り逃がしたことになり、私がここで死ねば、アムは逆賊と内通していたことになる。そう項垂れるミスに世祖は、死ぬ場所くらいは選べるではないかと返す。つまり、逆賊として者乙山君の手にかかって死ぬことで、者乙山君を助けられるというのだ。

「どうしてもアムの手に私の血を塗りたいのですね」

「アムに生かされた命なら、アムの手で死ぬのが幸せではないのか」

 冷たく言い放つ世祖を前に、アムを守らなければ、とミスはその場を去っていくのであった。

 者乙山君が美しいと思って幸せに生きてきた世界は、様々な犠牲の上に成り立っている血濡れた現実だった。自分がどれほど現実が見えていなかったのか、自分の理想の世界がどれだけ独りよがりなものだったのか、その事実を目の当たりにして苦しむ者乙山君。逆賊の息子であるミスだ。それまで漢陽へ何度誘っても応じなかったのは、来なかったのではなく、来ることができなかったのである。そして正道令の正体がミスであるならば、者乙山君は自らの手で逆賊であるミスを捕えに行ったも同様だ。自分とミスが過ごした時間そのものが、自分の存在自体が罠になってしまったことを泣きながら嘆く者乙山君。親を死に追いやられ息を潜めてひとり生きるしかなかった壮絶な境遇を知ることもなく、自分の元を去っていくミスを引き留められなかったと、ひとり泣いていただろうミスを抱きしめられなかったと、自責する。そして、ミスの正体を誰にも明かさせず、絶対に守り切ると決意するのだった。者乙山君、男前。者乙山君、何も見えてなかったことは事実かもしれないけど、誰よりも良い世界を作りたかったのも本当なんですよね。でもそれ以上に目の前のミスを第一に守ろうとしてるのが良い。しかしそんな者乙山君の決意とは裏腹に、穏やかな顔で現れるミス。手には思い出のお守りを持って。ミス、背後から現れて後ろから者乙山君にお守りを見せるんだけど「どうして(どうやって)来たんだ」「歩いてきた」ってやりとりの時に者乙山君の頭の上をお守りで歩かせるのかわいい。者乙山君はミスが逆賊として捕えられることを恐れてすぐに山に帰るように促すが、「山に戻って、何もなかったように過ごせばいいのか?」と返すミスに、何も言えなかった。ここのギュウォンミスの口調がめちゃくちゃ穏やかで泣ける。続けてミスは「ここに来れば大変なことになるとでも思っていたけど、実際に来てみたら何てことないな」と笑う。そして微笑みながら幼い頃の思い出を語り始めるミスに、者乙山君は涙を堪えながら頷くのだった。

――ひとり寂しく泣いていた私の元に現れて一緒に泣いてくれた君

――消えてしまいたかった私に日差しの中を歩かせてくれた私の空

 そう穏やかに話すミスに、無理に笑顔を作って返す者乙山君。ここの表情の作り方、ジオンくん者乙山君が天才すぎる。一緒に泣いてしまいそうになる。

――ひとり寂しく歩いていた宮殿 隠れていた君

――辛い日々を送りながらひとり泣いていた私の光

――風になって私を守ると言ってくれた君

 長い月日を経て再び<ミス>と<アム>として向き合うことのできたふたり。思い出に浸りながら幸せそうに微笑むミスに、涙が流れ落ちながらも無理に笑顔を作る者乙山君。ここほんっっっっとに大好きなナンバー。者乙山君のために死のうと覚悟しているミスはもう何も恐れていなくてむしろ清々しささえ感じられる穏やかな表情なんだけど、者乙山君はものすごく悲痛な思いを抱えてて。その対照的な姿も好きだし、対照的ながらも互いを大事に想っているところは一緒で、でも今後待ち受けてる未来を予想すると笑顔で見つめ合って歌う姿が儚くて切なくて、でもそれがすごく美しい。ジオンくんギュウォンさんペアマッコン、泣いてるジオン者乙山君の涙をギュウォンミスが拭ってあげたり、ジオン者乙山君がギュウォンミスの手を握って、ギュウォンミスがもうひとつの手で握り返したりしててSUKI……ってなった。しかしそんな穏やかな時間も、そう長くは続かなかった。

 正道令は私だ。矢文を送ったのも。そう告げるミスの口を覆い、すべてわかっている、と話を遮る者乙山君。しかしあれは乱を起こそうとする人間が書いたものではない、乱を起こす可能性のある人間を捕まえるために作られた禁書だったのだと続けた。そこへ、逆賊を捕えたことを称える世祖が現れる。ミスは正道令ではないと訴える者乙山君だったが、ミスは自分の死でお前を救おうとしているのにお前は小さな決心すらやり遂げられないのかと責める世祖。お前は本当に秘密が多いな、とミスを横目で見ながらも、ミスを庇う手はそのままだった。元からお前が尋ねて行かなければミスは今も山で静かに暮らしていただろうに、お前が尋ねて行ったことでその男が正道令になったのだとミスに視線を送る世祖に、ミスが正道令になりえるはずはないと者乙山君は訴える。しかし、世祖にとってはミスはただの駒のひとつであり、者乙山君が王の資質があるかどうかを確かめるためのひとつの道具に過ぎないのであった。実際に正道令かどうかなどどうでもいいのだと告げられた者乙山君は、ミスを殺すように促されるが、私が生きている限りはミスの血を見ることはありませんと世祖に訴える。このあたりで世祖に刀を持たされた者乙山君がミスに刀を向けるシーンがあるんだけど、ジオンくん者乙山君は自ら向ける、というよりよろけた勢いで、的な動きなのが好き。何が起きてもミスに刃を向けなさそうな者乙山君選手権ナンバー1。(なにそれ)でもここで刀を向けられて、うん、って頷くミスが切ない。そんな覚悟しないで。殺すわけない、とばかりに力なく首を振る者乙山君が良い。そしてミスを逆賊にするのなら、自分も死にますと続けるのだった。ここ、前の場面で世祖に逆賊としてアムの手にかかって死ぬならアムのためになるって言ってるのに、結局逆賊として死んだらアムは自分で首を吊るって宣言してるから結局誰も幸せにならない。

「ひとりふたりの犠牲で数多くの民を救えるというのに、数多くの民を見ないふりをするのか」

「ミスさえ救えない私がどうやって多くの民を救えるというのです。私にとってはミスが民です」

 しかし世祖が者乙山君の訴えを聞き入れるはずもなく、ミスを殺そうとする。そんな世祖と対峙しようとするミス、ミスを守ろうとする者乙山君。一触即発の状況だったが、ついにミスが動く。

「新たに陽が昇るためには、必ず陽は沈まねばなりません。殿下と私、共に消えるのはいかがでしょうか」

 そう言い放ち、世祖に向かって刃物を突き刺そうとしたミスだったが、世祖を庇った者乙山君を差してしまう。腹を刺され、崩れ落ちる者乙山君。泣き叫ぶミスの声も、縋る世祖の声も、既に者乙には届いていなかった。

 

 そして数ヶ月後。脇腹を刺され命が危ういと思われ者乙山君だったが、何とか一命を取り留め、傷はまだ痛むものの無事に回復。者乙刺されてから数ヶ月経った表現をするなら!!!!!!!!マジで一回捌けて!!!!!!!!!!!!!暗転してふたりともそのままの場所にいたらただ夜が明けたんかなって思うやん!!!!!!!!!!!!!!うーんって伸びして起き上がる者乙見て、ギャグ…?って困惑しちゃったやん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!でも最初はミスが前方に移動するだけだったのが一旦捌けるようになったのは良かったと思う。(者乙山君も捌けてほしいけど)前の演出だと、え?者乙山君刺されたの放置されたまま一晩経った?ミスも近くに座ったまま一晩明かしたん?ってなってたけど、捌けて出てくるからちゃんと山に帰ったのがわかる。プレビュー期間終わってもばんばんテコ入れしてたミス、いつぞやの自由劇場を思い出してとても良いです。その日がやってくる。大きなあくびと共に目覚めた者乙山君は、いそいそと出かける準備を済ませ、ひとり山に住んでいるミスの元へ向かうのだった。一輪の花を持って。手紙で再会の日を決めていたのか、ミスもまた嬉しそうに者乙からの手紙を読みながら歩いている。ここ、者乙山君のばら撒いた文献が散らばってるからミスの掃除タイムになるんだけど、ジュニョン者乙山君はばら撒かないからギュウォンミスが拗ねて箒に当たってるの笑う。ギュウォンミス、箒を愛する男。ミスが思いっきり箒で原稿片付けてる時なかなか埃が舞うから、者乙山君たちせき込んでる時あるのも笑う。ギュウォンミス、凶器を足で軽快にどこかに蹴るのも好き。笑 そして長い道のりを歩いてきた者乙山君と、再会。来たのか?と笑顔で聞くミスに対して者乙山君も一瞬笑顔になったものの、すぐにその表情に影を落とした。表情の変化を疑問に思うミスだったが、周囲を見渡してすぐに察し、「悪いと思わなくていい」と告げる。者乙山君がしょんぼりしてるのかわいいんだけど、それを見て、???ってなりながら者乙山君の視線の先を辿って床を見てみるギュウォンミスもかわいい。俯いてるだけで地面を見てるわけではないと思うよ!!!笑 ミスをこんな寂しい山にひとり残してしまったことに対して、者乙山君は心を痛めているのだった。微笑むミスに、者乙山君は取り繕うように「君も悪いと思わなくていい」と返す。王を刺すなんて大罪を犯したが、と冗談混じりに続ける者乙山君に、ミスも再び笑いながら「そうだ、私が逆賊だ!」と脇腹を掴もうとしたりとふざけ合うのだった。この逆賊だ!のくだりは日によっても役者さんによってもかなり変わってきて、いつも見るのが楽しい。まだ完治してないから脇腹触られると痛い設定。

ジオンくんギュウォンさん回

ギュウォンミス「ちょっと状態を…」とか言いながら脇腹を触ろうとする→本気で逃げるジオンくん者乙山君→本気で追いかけるギュウォンミス→外に出て門まで閉めるジオンくん者乙山君→門までは開けようとしないギュウォンミス→「開けたら怒るからな!(もっと強い意味だけどうまく訳せない)」→ギュウォンミス、何も言わずに余裕な感じで門見てる→ギュウォンミス「怖くなったか!?」→ギュウォンミス、何も言わない→じおんくん「何で何も言わないんだ?ミス?」覗いたら普通にしれっとした顔で後ろ手組んでるギュウォンミス→ジオンくん者乙山君出てくる→いるじゃん的な顔するジオンくん者乙山君

この一連のやりとりがかわいすぎて!!!序盤は強引な者乙山君に振り回されてたミスが、ここでは逆転してるのも面白い。ジオンくん者乙山君はわりと逃げるから全力の鬼ごっこが始まりがちで楽しい。日によってはミスの攻撃を扇子で防ごうとしたりするけど、最終的には全力鬼ごっこになりがち。基本的に門まで閉められたらギュウォンミスはちょっといたずらげな笑みを浮かべながら待ってるスタンス。別の回では門から恐る恐る出て来たところをワッて驚かせてそのまままっすぐ倒れたジオンくん者乙山君を無視して「王になろうって?」って言い出すからジウォン者乙山君、えっ……って顔で倒れたまま固まってて笑った。ギュウォンミス、マイペースすぎる。笑

 

ジウォンさんギュウォンさん回

再会からの「来たのか?」で力の加減を誤ってジウォン者乙山君を突き飛ばすギュウォンミス→思いっきり尻もちをつき、お尻を押さえながら悶えるジウォン者乙山君→ギュウォンミス「大丈夫か?」→全然大丈夫そうじゃないジウォン者乙山君→ギュウォンミス「申し訳なく思わなくていい(台詞)」→ジウォン者乙山君「頭おかしいのか?」→その後逆賊のくだりで意気揚々と脇腹を掴もうとするギュウォンミス、ジウォン者乙山君にいい加減にしろと扇子で頭をはたかれる

あまりにもドーンって突き飛ばされてて可哀想だけど笑ってしまった。申し訳なく思わなくていい、は台詞とは言え「いや申し訳なく思わなきゃいけないのはお前だろ!!!」って全観客が思ってたと思う。笑 なに?天然なの??? その後の者乙山君の「申し訳なく思わなくていい」は、元々の腹を刺されたことに加えて突き飛ばされたことも入ってるニュアンスだった。笑 突き飛ばしてなかった別日は脇腹掴んだらジウォン者乙山君がそのまま倒れてしまって焦るギュウォンミスだった。もちろん演技なのでその日は者乙山君が一枚上手だった!笑

 

ジオンくんギュウォンさんペアマッコン、脇腹を狙う時に腕まくりしてるの可愛かった。笑 全力で逃げるジオン者乙山君も面白い。

 

 そしてミスは者乙山君に、王になるのかと問う。逆賊を匿っておいて王になるなんて簡単ではないだろうに、と。

「王は幸せだと思ってた。私をこんなところに閉じ込めて置いて、王は幸せなんだと思ってた。でも、今思えば、そういうわけでもないんだな」

 者乙山君を見ながら、眉を下げてミスは笑う。

「王になろうと王になるまいと、お前が幸せだったらいいなと思う。どうせなら長生きしてくれたらもっといい」 どうせなら~って言うギュウォンミスの言い方が冗談っぽくてかわいい。

「言われなくてもそのつもりだ」 強がってる感じのジオンくん者乙山君もかわいい。

 涙を拭い、わざとらしく堂々とした口調で者乙山君はそう答えた。そして、もう二度と目を背けることなく、道理の通った世界を作るために王になるのだと続ける。

「お前は全てを忘れて生きろ。良いことだけを考えて、美味しいものをたくさん食べて、幸せに暮らしていてくれ。そうしていたら、必ずすぐに迎えに行く」ここもう完全に少女漫画のヒロインの相手役だった。男前すぎるんよ。穏やかな顔してたミスの表情が動揺に変わるのも良い。思ってもなかった言葉だったんだろうな。泣ける。

「そんな覚悟で王になれるのか。どうやってお前が逆賊を迎えに来るんだ」

「歩いてくれば良いだろう」

 そう言いつつ、門を出入りする真似をする者乙山君に、呆れた様子でミスは笑う。そんなミスの手を握り、ミスの瞳をじっと見つめる者乙山君。

「そう遠くない未来で必ず迎えに来る。だからどんなに時間が経っても、私を待っていてくれ」

 笑っていてほしい。一輪の花を渡し、去っていく者乙山君。

ここジオンくん者乙山君の一番好きなところなんですけど、毎回毎回ミスへの愛がすっごく溢れてて何度でも見たくなる。岩に座ってるミスの元にひざまずいて裾に隠れている手をそっと取りだして握る時の優しい手つき、眼差し、全部素敵すぎる。一輪の花をそっと渡して去っていくのもよかったけど、花を渡さずに去ったあとでそーーっと戻ってきて後ろからハグするのもイケメンすぎて。そのパターンの時はちょっとびっくりしてるミスに花を渡すんだけど、渡したあとにまたぎゅってしてくれるのがもう……。(何目線なの?)

ジオンくんギュウォンさんペアマッコン、花を渡しながら笑ってくれって言う男前ジオン者乙山君も最高だったんだけど、その後ギュウォンミスが呼び止めて気をつけて帰れ的なことを言って、すぐ戻ってくる、ってやりとりが最高によかった。ちなみにジウォンさんギュウォンさんペアマッコンは「アム…」ってミスが名前呼んでるのに颯爽と去って行ったジウォン者乙山君に笑ってしまったけど。ちょっとくらい戻って来てくれてもいいじゃん!?笑

 

「待つのではない。私はお前のことをずっと考えているから、私の心の中でお前と一緒に時間を過ごすから、どんなに時間が経っても、私を忘れることだけはするな」

 生きてきてよかった、そう嬉しそうに微笑むミス。そして待つこと数年。者乙山君が成宗として即位して4年の月日が経った頃、成宗の命を受けて官庁に赴くことになる。逆賊の息子ということで臣下に反対を受けるが、成宗はこれを棄却。ついに対面の日がやってくる。者乙山君が王としての貫禄を見せる中、嬉しそうに微笑むミス。者乙山君もまた、そんなミスにこっそりと隠し持っていたお守りを見せるのだった。

隠していたお守りを見せるのはジオンくん者乙山君オリジナル。もうほんとにここが最高すぎて崩れ落ちた覚えすらある。王らしく威厳たっぷりにキリッとしてるのに、ミスを見てふっと笑顔になるのずるい。お守りで二人だけにわかる合図出すのもずるい。あんなの全世界が惚れてしまう。それを見てうんうん、って笑ってるギュウォンミスも尊い。覗き込むように首を傾けるのも可愛い。ハッピーエンド万歳!!!!!!!!

カテコで者乙山君とミスがアイコンタクトとって退場することがあるけど目が合わないことも多々あって(片方だけ見てたり両方見てなかったり)でもジオンくん者乙山君とギュウォンミスは信頼度100%ってくらい最後に目を合わせて、うんって頷き合って退場していくの最高。

 

初日でボロクソに言われてたミスだけど、個人的にはキャラも好きだし関係性も好きだしナンバーもわりと好きだし世祖は邪魔だけど()回転してしまうくらいにはすごく好きな作品になりました。ジオンくん者乙山君とギュウォンミスあってのドハマりだったので、かなり複数キャストで観た方のはずなのに、蓋を開けてみたらジオンくん者乙山君とギュウォンさんミスのことしか考えてなかったという。ジオンくん者乙山君は世界観を壊さない程度の笑いとシリアスのバランスが絶妙で、ギュウォンさんミスは自由劇場壊れんばかりの爆音(あとかわいい)が最高でした。互いに泣くポイントが違うんですけど、泣くな、ってそれぞれ別のタイミングで涙拭い合ってるのもウッ…ってなりました。死ぬ。言葉に関しては歴史ものをほぼ観たことなかったし大河ドラマも好きじゃないから昔の口調にほぼ触れたことなかったんですが、いや~~~~難しかった!!!現代ものでも聞き取れないこと多々あるのに難易度高すぎる!!!!なので最初の方はわからない台詞や展開多すぎました。それでも聞き取れる範囲で好きだなって場面がどんどん増えていって、ナンバーもどんどん好きになって行って、気付いたら2桁……。それくらい個人的には大ヒットだったので、終わってしまうのが今から寂しいです。マッコンも行く予定なんだからマッコン終わってから書けよって感じですが、逆に燃え尽きてしまいそうなので今のうちにまとめておくことにしました。笑 以上、自由劇場に囚われがちなみけでした!

 

結局マッコン終わって書き足すの二度手間説ありますが、案の定燃え尽きているので先に書いておいてよかったです。笑 ミスが存在しない一週間の始まりが寂しすぎる……。おすすめかって聞かれると、いや別にそういうわけじゃ…って感じではあるのですが笑、個人的にはストーリーも自分としての落としどころがあったから理解できないわけではないし、何より萌えポイントが詰まってたのでめちゃくちゃ楽しい2ヶ月半でした。やっぱり気になる作品は早めに行くに限る!自分のできる限り全力で通ったので悔いはありませんが、まだ観たかったなあ。売れてなかったし再演はきっとないけど、それでも私にとっては思い出深い作品になったので、しばらくはミスの亡霊として生きていきたいと思います!笑

ミュージカル『ミス』ストーリー覚書

 舞台は第7代国王である世祖が国を治めていた15世紀の李氏朝鮮。世祖が自身の甥である端宗を死に追いやった場面より、物語の幕が開く。世祖は甥である第6代国王端宗に退位を強い、王座に着いたのであった。

 その世祖の孫である者乙山君は、世祖とは違い大変穏やかで、詩と風流を好む青年だった。遠く離れた山に住む幼馴染ミスのことをいつも気にかけていて、宮廷がある漢陽に来ないかと手紙を送っているが、何度も断られている様子。共にいられたらどれ程いいだろうか。そう、ミスからの手紙に視線を落としながら物思いにふける者乙山君だが、その願いは叶わないまま手紙でだけ交流を続ける日々が続いていた。そんなある日、者乙山君の元に世祖がやってくる。李氏朝鮮が滅ぶと謳っている預言書の作者、そしてその預言書の中で李氏朝鮮を滅亡に導くと言及されている<正道令>という人物を探せという命令とともに。

 ミスに協力を募ろうと、山を訪ねていく者乙山君。しかしミスがいるはずのその場所にいたのは、自分の記憶にある小さな可愛い女の子だったミスではなく、立派に成長して男物の服に身を包むミスの姿だった。とりわけ小さな子だったから大きくなりますようにとは願ったが、ここまで大きくなるとは……と驚く者乙山君を不審がるミスは、何故男物の服を着ているのかと聞かれ、男だからに決まっていると返す。そして、姉であるミスに会いに来たようだが姉はしばらく帰らない、と者乙山君に伝えるのだった。しかしミスの弟を名乗るその男は、者乙山君の記憶に残る〈ミス〉の面影がある。それもそのはずで、ミスに弟など存在せず、紛れもなくミス本人だった。やや不思議に思いながらも、友人ミスの弟なら自分にとっても弟のようなものだ、と受け入れる者乙山君。ミスは突然訪ねて来たその男が者乙山君と知り、驚くのだった。

 会えない間も者乙山君がミスのことを想い続けていたのと同様に、実はミスも山で暮らしながら者乙山君からの手紙を何度も読み返し、一緒に過ごせたらどれほどいいだろうかと想い続けていた。それにも関わらず、ミスの弟として者乙山君に接するミス。者乙は〈長年想ってきた友人であるミスの弟〉相手に、ミスとの幼い頃の思い出を語り始める。泣いていたら絵も描いてあげ、手がベタベタになるほど梅雀菓(韓菓)を握らせてあげたこと。そして、君を守る木になると伝えると、私はあなたを包む風になりますと答えてくれたという幼い頃のミスの話。想い出のお守りを大事そうに見つめる者乙山君の後ろで、ミスもまた、隠し持っていたお揃いのお守りを見つめるのだった。しかし自らの正体を明かすことのできないミスは者乙山君に気づかれる前にそのお守りを袖に仕舞い、素知らぬ顔をしたまま、姉を訪ねてきた用件は何かと者乙山君に問う。要件を話し始める者乙山君。それは、預言書で言及されている正道令なる人物を一緒に探してくれというものだった。世祖からの命を受けて探すことになったのだと話す者乙山君に、どれだけ危険なことかわかっているのかとミスは問うが、者乙山君は気にかけていない様子。その上、預言書の内容を書き換えてミスの名前で再度広めることで、本物の作者、そして正道令を誘き寄せるという提案だった。姉を巻き込むなとミスは断ろうとするも、者乙山君の強引さに結局は折れ、協力することとなる。ミスは人々の動向を探るのだった。

 一方世祖は、それまで死に追いやってきた人間の亡霊につきまとわれている。弟である安平大君、甥である端宗、甥の妻である敬恵公主、そして臣下たち。しかし世祖は、自分の犯した暴虐の数々を平然と正当化するのであった。

 度々訪ねてくる者乙山君のことを、人知れず心待ちにしているミス。泣いている声が悲しすぎて聞くのが辛いと手を握ってくれた幼い頃の者乙山君。自分にとってはこの生きている時間さえも贅沢だったのだろうかと自問自答しながらも、多くは望まず、ただ者乙山君の手をもう一度握りたい、そんなささやかな願いを抱いている。しかしそれも難しいならと、来世でまた出会えることを祈るのだった。そんなミスの想いなど知るはずもない者乙山君だが、ミスの弟を名乗るその男が隠している秘密に違和感を抱き始めていた。そんなはずはない、とミスの顔をまじまじと見つめる者乙山君。しかし打ち消すように首を振り、進展がないことへの焦りを見せる。それほど気が急いているのなら、と口を開くミスに、一緒に漢陽に行こう、と話す者乙山君。ミスは溜息を吐きながら、ひとりで帰ってくださいと促す。わずかに沈黙が降りたあと、ミスは者乙山君に、正道令を探し出してどうするつもりなのかと尋ねた。正道令と一緒に力を合わせればよりよい国を作ることができる、そう言った世祖の言葉を信じている者乙山君はその言葉をミスに伝えるが、ミスは首を振り、続けるのだった。

「正道令と、関連のある人間はすべて死ぬことになります。それでも探すのですか?」

「偽られた者の前では世界はただ偽りで溢れているものだが、真実の者の前では世界はただ真実で満たされているものだ」

「疑うことを知らない者の前に置かれるのは、作られた真実のみです」

「私は人を信じる。殿下を信じ、ミスを信じ、そしてお前を信じている。ゆえに私が疑わなければならない理由がわからないな」

「何も知らない人間は愚か者だが、知らないふりをする人間はただの卑怯者です」

「あの本は分裂を産む。分裂の混乱を産むだろう。分裂を治めて合わせることができたなら、よりよい世界を作ることができるではないか」

「分裂を治める方法は他にもあります。分裂を起こす者を殺すのです。王は既にそうなさったではありませんか」

「祖父はこの国を正すために行ったのだ。私は祖父が私にかけてくれた言葉を信じている」

「何も知らない人間は愚か者だが、知らないふりをする人間はただの卑怯者です」

 冷たく言い放つミスに、者乙山君は何も答えない。

「どうして姉を探しに来られたんですか」

「友だからだ」

「友はもう去ったと申し上げました。何故まだここに留まっていらっしゃるのですか」

「留まっているのではない、待っているのだ」

「本当にそれだけですか」

「私もひとつ尋ねよう。何故ミスを待ってはいけないんだ。何故ミスを訪ねるための別の理由が必要なんだ」

 その言葉に、ミスが答えることはなかった。

「本当にお前は秘密が多いな」

「あなたがどれだけ目を背けても、王は正道令を生かしておく人間ではありません。私が聞きたいのは……お前は正道令を生かす人間なのか、それだけだ」

 そう言い残し、去っていくミス。同じ頃、者乙山君の元に矢文が届く。従わない者を殺戮する畜生の姿が見えないのかと、兄弟を殺してその王座についた非道さが理解できないのかと、世祖の悪行を訴えるものだった。祖父がそうしていなければ国は更なる混乱に陥っていたはずだ、と自分に言い聞かせるように首を振り、再びミスの元を訪れる。祖父が王になるために多くの人を殺したと言うのだなと問う者乙山君にミスは、何事にもそれぞれの視点があるだけです、と話す。嘘である可能性はないのかと問う者乙山君に、あなたが忘れれば嘘になります、と返すミス。どうするべきかと問う。私の考えが何の関係があるのかとミスは返すが、もし君がミスであればどう思うだろうか考えて代わりに答えてほしいと、請う者乙山君。

「他人の言葉に揺らぐことなく、悪行を働かず、正義に反すことは行わず、善良を追い求めていけばいいのではないでしょうか」

 その言葉を重く受け止めた者乙山君は、祖父の元に行かなくてはいけないと、ミスの元をたつ。届いた矢文を見せれば何かしら答えてくれるはずだ、と。自分を大事に育ててくれた祖父がそんなことをするはずはないと信じたい一方で、宮廷に戻った者乙山君が目を通す文献から浮かび上がるのは、祖父の暴挙を裏付けるようなものばかりであった。幼い頃に交わしたミスとの会話が思い浮かぶ者乙山君。

「今日、母が私を迎えに来ました。自分が誰なのかずっと気になっていたんですが……。王より名前も頂いたのです。私はミス。否定の未に、命を意味する寿と書いてミス」

「いまだ存在していない命、という意味か……」

「……」

「私は最近、美しいという意味のミを習ったんだ。美に寿と書いて、ミス。その方が君にはふさわしいと思う。美しい人という意味だ」

「美寿……本当にそう呼んでくれますか?」

「ああ、たくさん呼んであげなければな。美寿……」

 素直に喜んでいた幼い頃のミスを思い浮かべながら、複雑な想いに涙する者乙山君。

「実は私にも者乙山君ではない本当の名前があるんだ。教えようか?」

「はい、教えてください」

 そこへ、者乙山君の本名である「アム」を呼びながら現れる世祖。今まで一度も疑ったこともなかった祖父への疑惑。そんなはずはないと震えながら耳にした疑惑について問う者乙山君だったが、その願いとは裏腹に、返ってきたのは肯定だった。

「昔、好きだった友がいました。その友はある日突然宮廷から連れ出され、二度と顔を見ることができませんでした。どんな願いでも聞いてくれたお祖父様が唯一聞いてくれなかった望み、それがあの子を宮廷に戻してほしいというものでした。あの子は一体、誰なのですか」

「敬恵公主の息子、つまり逆賊の息子だ。名前はチョン・ミス」

 苦し気に目を閉じる者乙山君。

「生まれてくる子供が女なら宮廷に入れて男なら殺すと話したら、女の服を着せて宮廷に隠しておった」

 そう冷たく笑う世祖は者乙山君に、その男が正道令だったのか、と問う。者乙山君は、自分が、そしてミスが置かれている状況に気づき、項垂れることしかできなかった。同じ頃、ミスは幼い頃に身に付けていたかんざしを発見する。覚悟を決めるミス。自分が<ミス>である証を持って、宮廷のある漢陽に向かうのだった。

 そして、漢陽。突然現れ自分に刃を向けるミスに対して、世祖は動揺することもない。逆に、自分を殺せば先程まで一緒にいた者乙山君が一番に疑われるだろうとミスを脅すのだった。世祖に向けていた刃物を下ろすミス。この命はどうなってもいいから者乙だけは助けて欲しいと懇願するミスだが、世祖は無慈悲に続ける。逆賊である正道令を捕える命を受けた者乙山君が、逆賊を捕らえられなかったらどうなると思うのか。もしも逆賊を見逃したとなると、どうなると思うのか。そう淡々と話す世祖にミスは、どっちにせよ私に選択肢などありません、と続ける。私が去れば、アムは逆賊を取り逃がしたことになり、私がここで死ねば、アムは逆賊と内通していたことになる。そう項垂れるミスに世祖は、死ぬ場所くらいは選べるではないかと返す。つまり、逆賊として者乙山君の手にかかって死ぬことで、者乙山君を助けられるというのだ。

「どうしてもアムの手に私の血を塗りたいのですね」

「アムに生かされた命なら、アムの手で死ぬのが幸せではないのか」

 冷たく言い放つ世祖を前に、アムを守らなければ、とミスはその場を去っていくのであった。

 者乙山君が美しいと思って幸せに生きてきた世界は、様々な犠牲の上に成り立っている血濡れた現実だった。自分がどれほど現実が見えていなかったのか、自分の理想の世界がどれだけ独りよがりなものだったのか、その事実を目の当たりにして苦しむ者乙山君。逆賊の息子であるミスだ。それまで漢陽へ何度誘っても応じなかったのは、来なかったのではなく、来ることができなかったのである。そして正道令の正体がミスであるならば、者乙山君は自らの手で逆賊であるミスを捕えに行ったも同様だ。自分とミスが過ごした時間そのものが、自分の存在自体が罠になってしまったことを泣きながら嘆く者乙山君。親を死に追いやられ息を潜めてひとり生きるしかなかった壮絶な境遇を知ることもなく、自分の元を去っていくミスを引き留められなかったと、ひとり泣いていただろうミスを抱きしめられなかったと、自責する。そして、ミスの正体を誰にも明かさせず、絶対に守り切ると決意するのだった。しかしそんな者乙山君の決意とは裏腹に、穏やかな顔で現れるミス。手には思い出のお守りを持って。者乙山君はミスが逆賊として捕えられることを恐れてすぐに山に帰るように促すが、「山に戻って、何もなかったように過ごせばいいのか?」と返すミスに、何も言えなかった。続けてミスは「ここに来れば大変なことになるとでも思っていたけど、実際に来てみたら何てことないな」と笑う。そして微笑みながら幼い頃の思い出を語り始めるミスに、者乙山君は涙を堪えながら頷くのだった。

――ひとり寂しく泣いていた私の元に現れて一緒に泣いてくれた君

――消えてしまいたかった私に日差しの中を歩かせてくれた私の空

 そう穏やかに話すミスに、無理に笑顔を作って返す者乙山君。

――ひとり寂しく歩いていた宮殿 隠れていた君

――辛い日々を送りながらひとり泣いていた私の光

――風になって私を守ると言ってくれた君

 長い月日を経て再び<ミス>と<アム>として向き合うことのできたふたり。思い出に浸りながら幸せそうに微笑むミスに、涙が流れ落ちながらも無理に笑顔を作る者乙山君。しかしそんな穏やかな時間も、そう長くは続かなかった。

 正道令は私だ。矢文を送ったのも。そう告げるミスの口を覆い、すべてわかっている、と話を遮る者乙山君。しかしあれは乱を起こそうとする人間が書いたものではない、乱を起こす可能性のある人間を捕まえるために作られた禁書だったのだと続けた。そこへ、逆賊を捕えたことを称える世祖が現れる。ミスは正道令ではないと訴える者乙山君だったが、ミスは自分の死でお前を救おうとしているのにお前は小さな決心すらやり遂げられないのかと責める世祖。お前は本当に秘密が多いな、とミスを横目で見ながらも、ミスを庇う手はそのままだった。元からお前が尋ねて行かなければミスは今も山で静かに暮らしていただろうに、お前が尋ねて行ったことでその男が正道令になったのだとミスに視線を送る世祖に、ミスが正道令になりえるはずはないと者乙山君は訴える。しかし、世祖にとってはミスはただの駒のひとつであり、者乙山君が王の資質があるかどうかを確かめるためのひとつの道具に過ぎないのであった。実際に正道令かどうかなどどうでもいいのだと告げられた者乙山君は、ミスを殺すように促されるが、私が生きている限りはミスの血を見ることはありませんと世祖に訴える。そしてミスを逆賊にするのなら、自分も死にますと続けるのだった。

「ひとりふたりの犠牲で数多くの民を救えるというのに、数多くの民を見ないふりをするのか」

「ミスさえ救えない私がどうやって多くの民を救えるというのです。私にとってはミスが民です」

 しかし世祖が者乙山君の訴えを聞き入れるはずもなく、ミスを殺そうとする。そんな世祖と対峙しようとするミス、ミスを守ろうとする者乙山君。一触即発の状況だったが、ついにミスが動く。

「新たに陽が昇るためには、必ず陽は沈まねばなりません。殿下と私、共に消えるのはいかがでしょうか」

 そう言い放ち、世祖に向かって刃物を突き刺そうとしたミスだったが、世祖を庇った者乙山君を差してしまう。腹を刺され、崩れ落ちる者乙山君。泣き叫ぶミスの声も、縋る世祖の声も、既に者乙には届いていなかった。

 

 そして数ヶ月後。脇腹を刺され命が危ういと思われ者乙山君だったが、何とか一命を取り留め、傷はまだ痛むものの無事に回復。その日がやってくる。大きなあくびと共に目覚めた者乙山君は、いそいそと出かける準備を済ませ、ひとり山に住んでいるミスの元へ向かうのだった。一輪の花を持って。手紙で再会の日を決めていたのか、ミスもまた嬉しそうに者乙からの手紙を読みながら歩いている。そして長い道のりを歩いてきた者乙山君と、再会。来たのか?と笑顔で聞くミスに対して者乙山君も一瞬笑顔になったものの、すぐにその表情に影を落とした。表情の変化を疑問に思うミスだったが、周囲を見渡してすぐに察し、「悪いと思わなくていい」と告げる。ミスをこんな寂しい山にひとり残してしまったことに対して、者乙山君は心を痛めているのだった。微笑むミスに、者乙山君は取り繕うように「君も悪いと思わなくていい」と返す。王を刺すなんて大罪を犯したが、と冗談混じりに続ける者乙山君に、ミスも再び笑いながら「そうだ、私が逆賊だ!」と脇腹を掴もうとしたりとふざけ合うのだった。

 そしてミスは者乙山君に、王になるのかと問う。逆賊を匿っておいて王になるなんて簡単ではないだろうに、と。

「王は幸せだと思ってた。私をこんなところに閉じ込めて置いて、王は幸せなんだと思ってた。でも、今思えば、そういうわけでもないんだな」

 者乙山君を見ながら、眉を下げてミスは笑う。

「王になろうと王になるまいと、お前が幸せだったらいいなと思う。どうせなら長生きしてくれたらもっといい」

「言われなくてもそのつもりだ」

 涙を拭い、わざとらしく堂々とした口調で者乙山君はそう答えた。そして、もう二度と目を背けることなく、道理の通った世界を作るために王になるのだと続ける。

「お前は全てを忘れて生きろ。良いことだけを考えて、美味しいものをたくさん食べて、幸せに暮らしていてくれ。そうしていたら、必ずすぐに迎えに行く」

「そんな覚悟で王になれるのか。どうやってお前が逆賊を迎えに来るんだ」

「歩いてくれば良いだろう」

 そう言いつつ、門を出入りする真似をする者乙山君に、呆れた様子でミスは笑う。そんなミスの手を握り、ミスの瞳をじっと見つめる者乙山君。

「そう遠くない未来で必ず迎えに来る。だからどんなに時間が経っても、私を待っていてくれ」

 笑っていてほしい。一輪の花を渡し、去っていく者乙山君。

「待つのではない。私はお前のことをずっと考えているから、私の心の中でお前と一緒に時間を過ごすから、どんなに時間が経っても、私を忘れることだけはするな」

 生きてきてよかった、そう嬉しそうに微笑むミス。そして待つこと数年。者乙山君が成宗として即位して4年の月日が経った頃、成宗の命を受けて官庁に赴くことになる。逆賊の息子ということで臣下に反対を受けるが、成宗はこれを棄却。ついに対面の日がやってくる。者乙山君が王としての貫禄を見せる中、嬉しそうに微笑むミス。者乙山君もまた、そんなミスにこっそりと隠し持っていたお守りを見せるのだった。

2023年にやりたい10のこと

おはようございます、みけです。喪中のため新年のご挨拶は控えさせていただきますが、2023年になりましたね。やりたいことと目標の入り混じった新年の抱負を毎年書いていた私ですが、気づけば2020年を最後に書いていないことに気づきました。2020年、2021年、2022年の上半期を虚無な心で過ごしてきたので書いてなくても当然といえば当然なんですが、後から自分で読み返すと1年の振り返りにもなるテーマなので少しもったいなあとも思ったり。いや、110まで〈生き抜く!〉が目標になって読んでる人を困惑させそうなので書いてなくてよかった気もしますが。笑

 

 

 

1.チェジュ島に行く

 

ずっと前からオンニ達と一緒にチェジュ島行こうねって話してたんですが、まさかのコロナでチェジュ島どころかオンニ達と会うこともできない状況に。やっと再会を果たしたので、今年は絶対に叶えたいと思います!ちなみにチェジュ島でやりたいことのひとつに〈レンタカーを借りて運転〉があるんですが、オンニ達には別行動にしようって言われました。みけの運転する車には絶対乗りたくないそうです。いや悲しい!笑

 

 

2.ダイエットに成功する

 

コロナ禍で12キロ増、この半年で9キロ減した私ですが、今空の上でこれを書いている現在、この年末年始で一体何キロ戻ってしまったのか震えています。止まっていたホテルに全身鏡があったのですが、なんかもっと丸くなったな?と鏡に話しかけるくらいにはリバウンドしている予感です。とはいえ渡韓中やおでかけ時に食事制限するのはもったいないし楽しくないので、旅してない時に頑張ります!寒くて心折れかけてる朝散歩も毎日続けられたらいいな。

 

 

3.カメラを使いこなす

 

数年前に退職金で買ったカメラを全く活用でいていないので、少しでも推しを上手く撮るために練習したいなと。元々よく理解してたわけでもないのにコロナ禍で全く使わなくなったせいでコロナ前よりも更に上手く撮れなくなってしまったので、今年は気持ちを新たに再挑戦したいです。

 

 

4.整理整頓

 

私の人生で整理整頓ができていたことなんてありませんが、私比でもいいから少しでも整理整頓を意識していきたいです。そのためにも物を軽率に増やさないことも目標に。でもパンフレットとグッズは別とします。(増える予感しかない)

 

 

5.韓国語の抑揚練習を頑張る

 

THE日本人です!な抑揚を少しでも脱出して、自然な抑揚で話せるように努力したいです。もちろん語彙力だったり発音だったりまだまだなところはあるけれど、今年の目標はこれで!

 

 

6.デザインの勉強をする

 

グッズを作りたいなと思った時に(ポストカードやシールなど)センスが壊滅してて、配置や構図をどうしたらいいかいつも頭を抱えてしまうので、今年はちょっとだけ真面目に勉強してみたいです。とか言いながら参考書だけは昔買ってたのにそのまま放置してるので、今年もそんな予感がしますが……。いやいや、頑張ります!

 

 

7.体力をつける

 

大劇場を楽しむ体力が完全になくなってるので、大劇場マチソワ余裕な体力を取り戻したいです。いや前も余裕ではなかったはずだけど、楽しくマチソワしていた気はするので!コロナ禍で一緒に集中力もなくなってしまったので、ここもぼちぼち取り戻していきたいなあと。いやそんな集中力つけるぞ!って言ってつけられるものなのかわかりませんが。笑

 

 

8.自分の〈好き〉に正直に、好きなものにたくさん触れる

 

もちろん人に迷惑をかけてまで貫くつもりはないけれど、人の目を気にしすぎずに日常生活や趣味の中で生じる自分の〈好き〉って気持ちを大切にしていきたいなと。抽象的な表現ではありますが、義務感で雁字搦めになっていることがあるなと時々感じていて、自分の人生だから仕事以外の部分では義務に縛られずに過ごしていきたいです。

 

 

9.驕らず腐らず人に優しく、感謝を忘れず

 

これが一番難しい!と毎年言いつつも、この2年半が一番この心を忘れていた気がします。しんどいのは周りのせい、でもそういう風に周りのせいにする自分はもっと嫌、他人への苛立ちと自己嫌悪でいっぱいいっぱい。自己肯定感と自己評価が低いことに定評のある私ですが(嫌な定評だな)、ここまで自己嫌悪で毎日苦しかったのは初めてな気がします。前回のブログでも書きましたが、いろんなイレギュラーなことが起こっているコロナ禍なので私よりもっともっと辛い人、苦しい人、大変な人がいることは頭ではよく理解していましたが、自分がしんどいということ以外に目を向けられず、とにかくしんどい!誰にも会いたくない!生きてるかもわからんのに未来の話とかしたくない!なんてやさぐれてました。自分の境遇を恨んでは、私以外の誰かになりたくて、逃げ出したくて、でも逃げ出す勇気もなければ気力も覚悟もなくて。そんな2年半だったので、2023年は毎年恒例の「人に優しく、驕らず腐らず」に加えて、「感謝を忘れず」過ごしていきたいと思います。

 

 

10.笑顔を大切に

 

渡韓中のトラブルは笑って流せがちな私ですが仕事関係だとすぐに心折れてしまうので、反省の心は忘れずに、笑顔いっぱいの一年にしたいです。渡韓が再開して早々にいろんなハプニングがあって「生きてるだけでネタになる」「一生分のハプニングを前借りしてる」などと褒めてもらいましたが(褒められてはない)、今年も笑いを提供できるように楽しく生きていきたいと思います。いや、別にトラブルもハプニングもなくていいですが!!!!!!!!!!笑

 

 

そんなわけで、いつもいろいろツッコミどころがある私ですが、見捨てずに暖かく見守ってくださったり遊んでくださったり話してかけてくださったり。今年も仲良くしていただけたら嬉しいです。皆さんにとって、良いことで溢れる2023年になりますように!

3年ぶりに推しを観に行こうとしたらチケット販売停止になっていた話

こんにちは、みけです。私の一部のフォロワーさんの中で大反響(?)だったマジックショーの推し、みなさん覚えてますか?(知ってるていで話すな)推しを観に行ったら公演中止に遭い、リベンジするはずが公示もなくキャスト変更になっていて謎のマジックショーに出演が決まっていたあの推しです。詳しくはこちら。

 

mikkerables.hatenablog.com

 

そんな何かと話題の尽きない推しと私(?)ですが、3年ぶりにその推し目的で観劇しようとしたところやっぱり普通には観れなかったので、ブログにして残しておきたいと思います。

 

12月。元々別件での渡韓が決まっていたのですが、せっかくならミュージカルも観たい!ということで調べていると、渡韓日程に推しの公演があることが判明。絶対観るぞ!と意気込むも、グローバルオープンがない。韓ミュオタあるあるに漏れず私も問い合わせに慣れてるオタクなので即問い合わせたところ、即オープンしてくれました。売れ行きはどんな感じかな♪と残席を確認してみると、一席も売れてません。オタクではない一般人のカップルや家族が余暇を楽しむために観る作品だと、時々こういうことが起こります。頭ではわかっていてもやっぱり動揺を隠せないまま、その日はそっとチケットサイトを閉じ、寝ました。翌日確認しても、やはり残席は全席。私ひとりのために公演が開かれる可能性がある……?もしくは、公演中止になる可能性がある……?コロナ関係なく2回連続で公演中止に遭った私なので、嫌な予感がよぎります。でもとりあえず観たい人間がここにいるってことはアピールしておかなきゃ!そう思い、翌日にチケットをとることを決めて、その日も寝ました。(2日も寝るな)そして翌日、えーい最前どセンで観てしまえ!と謎のヤケっぱちでチケットサイトを開きました。

 

え、公演がない……?

 

昨日までは確かにあったはずの土曜夜公演が、なくなっています。日時を選ぶ画面はあるのに、私が行きたい日程のみが何度確認しても存在しません。その時点でオープンしている日程が50公演ほどあったのですが、綺麗にその1公演だけ存在しないのです。

 

そんなこと、ある?????

 

さすがの私も初めての経験で、困惑しながらも問い合わせてみました。すると返ってきたのは、「公演はあります」という返答。えっ買えないのに……?正直に、チケットサイトで買えないのですが……と伝えると、何故か推しの招待という形で席を押さえてくれることに。推しの招待……?推しの名前を伝えると公演が見れるという謎の権利を得てしまいました。推しを観れるのは嬉しい。だけど正直、手放しで喜ぶには謎の状況すぎます。友人たちに話すと「ほんとにその公演ある…?」と心配され、「わからん、もしかしたら劇場行ったら暗いロビーで私に公演中止を告げるためだけにスタッフがひとり残っとるかもしれん(※初めての公演中止の時の思い出)」と返しました。

 

夜公演はないかもしれないと半ば本気で思っていた私は、昼公演も同じ公演を観ることに。推しがマチソワだったんですよね。何なら前日は別の作品に出ている推しを観ていたので3公演連続で推しを観るスケジュールでしたが、2公演になるかもなと思ってました。(どんだけ信じてないん)ひとまず前日の別の公演は無事に終了。ラブコメだったので面白い推しを堪能し、スタッフさんに推しへのお土産を渡して帰宅。退勤という名の公式出待ちが当たり前だった韓国ですが、コロナ禍で退勤がなくなったという話を聞いていたので友人たちに「一般人向けミュなら待っていいんじゃない?」「知り合いは問題ないんじゃない?(※ファンです)」などなど言われましたが、推しの負担になるわけにはいかないじゃないですか。いくらマジックショーの推しとはいえ、この時期の退勤は迷惑に決まっている、そう思っていました。その夜、挨拶できなくて残念だったと連絡が来るまでは……。

 

明日5時公演後に会いましょう!

 

推しの言葉に目を疑いました。そんなこと、ある……?はなから退勤なんてないものと思っていた私です。別のミュージカルの7時公演のチケットは既にこの手にあります。5時からの100分公演だったら7時公演観れちゃうじゃん♪なんてのんきにチケットをとった過去の私のせいで、推しのありがたい提案を断るしかできない状況に陥ってしまいました。

 

私:すみません、退勤だめと思ってたので7時に別の公演観に行く予定があって…友だちと...(※そんな友だちはいない)

推し:それじゃ2時公演後に少しだけ出て行くのでその時に!

 

???????

推しが私のスケジュールに合わせてくれる……?

こんなことあっていいのかと思いながらも私としては推しに会えるのは嬉しいので、お言葉に甘えることに。結局推しは約束通り、マチソワ間にコートも着ずに出てきてくれました。そして推しが残念そうに、5時公演はフォトタイムがあるんだけどみけは撮る時間ないかな><と……。残念ですが、私に残された時間はありません。終わったら即劇場に向かわなくてはいけないミッションがあります。気にしないでください~とどう考えても私が言う台詞ではないことを言ってると、推しが突然あっ!と声をあげました。

 

推し:最前列くださいって言いなよ!

私:え?

推し:最前列なら撮ってすぐ出られるし!

私:え???

推し:あ、僕から言っておくね!

私:あ、ありがとうございます??????????

 

動揺したまま一瞬の推しとの会話を楽しんだ少し後、もう埋まってるから最後列になるって><という謝罪連絡が。いやもうほんと気にしないでください……!!!むしろ最後列なら次の公演の時間を気にしたり人の前を通って邪魔したりせずに出られるので私的にはラッキーです。全然大丈夫です!と返し、劇場に向かいました。

 

マチネも観た劇場なので迷うことなく到着し、マチネの時同様にチケットブースに。さて、問題はここからです。チケットブースに、人がいません。チケットも持っていない人達が、客席に吸い込まれていっています。はい、いわゆる団体貸し切りDAYです。団体観覧に出くわすことはあれど、劇場まるまる貸し切られた公演に潜り込むことは初めてです。完全なるアウェイです。

 

え、私ここにいてよかった?????

 

動揺している私の前を、学生さんらしき人達が大量に通り過ぎています。場違いにも程があります。俄然不安になっていく私の胸中など誰も知るはずもなく、わいわいと楽しそうな学生さん達。

 

引率の先生らしき人:学生かな?

私:いえ、〇〇俳優さんの招待で……

引率の先生らしき人:ああ!最前列ですね!

私:?????? 最前列ですか???

引率の先生らしき人:はい、最前列です

 

私を連れて学生の集団を飛び越え、最前列に案内してくれる先生。

 

推し、話が違うよ!!!!!!!!??????????

 

何にも遮られない特等席を案内され、ひとり動揺が広がる私。えっ待って話が違う!!!!と友人たちに助けを求めましたが、友人たちは日本にいるので助けられるはずもなく。いやたとえ韓国にいたとしてもマジックショーの時のように私を置いてみんな思い思いの公演に行くことは目に見えていますが。フォトタイムは参加しないで帰るつもりだったので化粧ほぼ残っていない状態であることや、本当に最前列なら7時公演間に合うのか問題など、推しとは直接関係のない自分本位な理由で困惑するみけ。(ごめんなさい!!!!!)

 

いやでもせっかく推しが話をしてくれたおかげで誰よりも良席で観れることになったわけです。ありがたく最前での観劇を楽しむことにしました。しかし普通の学生さんにしては、聞こえてくる言葉がなにひとつ聞き取れません。それもそのはずです。どこかの大学の留学生たちの団体貸し切りだったのです。たぶん授業の一環です。外国人留学生の中に紛れ込む外国人観光客。あまりにもシュールすぎます。いくら外国人仲間とはいえ完全なるアウェイなので謎の疎外感を感じながら、公演が終わりました。そして、フォトタイム。色々なドキドキでいっぱいの私でしたが、結果から言うと、個別のフォトタイムは中止。コロナが理由だそうで、その代わりにみんなで写真を撮りましょう、とのこと。

 

いや私部外者なんよ!!!!!!!!!!!!

 

それでも私ひとりだけ出て行くわけにもいかず、学校の集合写真に紛れ込むアラサーという謎の状況を経験してしまいました。いいけどさ、学校的には変なやつひとり混じっとるけど大丈夫なん……?ちょっと申し訳なさを感じつつ、推しと舞台越しに挨拶を交わし、劇場を後に。その後ふと、そういえばインスタに集合写真あげるって言ってたな?と思って確認したところ、本日団体貸し切りをしていた大学の名前が。

 

いや私が通ってた大学やん!!!!!!!!

 

ソウルで半年間通っていた大学の貸し切りというオチだったのでした。図らずもOBとして同席してしまった私に推しは「運命だね!」なんて言ってくれましたが、そこで運命は要らんのよ!なんて思ってしまったことは秘密です。

 

以上、公演中止と思いきや通っていた大学の貸し切り公演に紛れ込んでいた話でした。